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F組三国志  作者: かめ屋吉兵衛
二 秋山美咲
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 赤澤くんと明日の朝は待ち合わせ。

 楽しくて何も考えずに約束してしまったけど、男の子と待ち合わせなんて初めてのこと。

 今になって、またドキドキして来た。

 でも、もっと話していたかったなぁ~。


「美咲、ぼんやりしてるとキャベツの代わりに手を切るわよ。

 慣れて来た頃が一番怪我し易いのだから気を付けなさい。」

「うん、大丈夫よ、でも…、もう少し軽やかに切れる様になりたい、高校に入学してから毎日夕食準備を手伝ってるのにまだまだ…。」

「調理実習上手く行かなかったの?」

「そうでもないけど、包丁の扱いが凄く上手な男子がいてね、カッコ良かった。」

「もしかして、その人と?」

「えっ?」

「今日のデート。

 男の子とカフェなんて初めてじゃなかったかしら?」

「まあ、初めてかも。」

「ふふ、ご感想は?」

「ドキドキだった…、でも彼もドキドキだったみたい。」

「うぶなんだ。」

「そうなのかな…。」

「どんな人?」

「前からね、頭の良さそうな人だなって思っていたの。

 だってさ、休み時間に読んでいる本が、集団と心理、とかなのよ。」

「チェックしてたのね。」

「何となく…、数学が得意みたいで。」

「そっか、美咲にはないものを持ってるんだ。」

「ど~せ、数学ダメダメですよ~。

 でね、お堅いだけの人かなっ、とも思っていたのだけど、クラスのことを相談したら色々考えてくれてね。」

「うんうん。」

「その話しが、大人だ~って感じなの。

 ご本人が言うには、お父さんの影響が大きいのだって。」

「へ~。」

「お父さんは大学の先生。」

「なるほど。」

「でねでね、料理はお父さま直伝だとかで…。」


 話しは尽きない。

 秋山美咲、蟹座生まれの十五歳。

 今まで何度か告られたことはあるけど、いつも何か違うと思ってた。

 私を好きになってくれるのは嬉しいけど、この人と一緒にいたいと思うことはなくて…。

 赤澤くんのことは気になっていた。

 授業中でも、時々妙に大人びた発言をするし、そして、それが理にかなっている。

 同じ学年とは思えない時もあった。

 今日色々話をして…。

 美咲、マジで惚れたか? 

 あ~、またドキドキしてきた。

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