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F組三国志  作者: かめ屋吉兵衛
三 河西哲平
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「哲平くん、こっちこっち。」

「加藤さん、そんなにあわてなくても…。」

「へへ、だめだめ、同じ班になったのだから朋美って呼んでくれなきゃ。」

「はいはい。」

「朋美、はしゃぎすぎよ。」

「ふふ、そういう榛香だってさ~。」

「はは、でも何か新鮮な感じよね。」

「そうだな、高校の遠足ってどんなものかと思ってたけど。」

「露木、女子は所詮、哲平のファンなんだぞ。」

「あらっ、そうばかりではなくてよ。」

「えっ?」

「う~ん、話しの途中で申し訳ないというか、俺も続きを聞きたいが、ペンギンの前で奥田さんたちが待ってるからね。」

「あ、ああ。」


 ふふ、北村は纐纈榛香の視線を感じてなかったのか、鈍い奴だな。

 まあ俺に出来ることは同じ班に入れてやるとこまでだから。

 さてと…。


「奥田さん、お待たせ。」

「私たちも着いたばかりよ、みんなペンギンに夢中だけど。」

「無邪気だな。」

「そっちはどう?」

「加藤さんは、はしゃぎすぎ、北村は鈍いということが分かった。」

「なあにそれ。」

「あっ、我が班の連中もペンギンに夢中か。」

「動物園に来て、みんな小学生気分に帰ったと言うことかしら…。」

「適度にみんなで会話してるみたいだから、俺たちが特に動く必要もなさそうだね。」

「うん、でもこうしてると保護者になった気分。」

「はは、じゃあ、俺たちも混ざるか…。」


 写真を撮り合ったりしてる内に移動時間となる。


「お~い、みんな、次行くぞ~。」

「は~い。」

「次は?」

「俺たちは、ゾウの所で井原亜衣の班と、奥田さんたちは?」

「アムールトラの前で美咲たちと、班長はあやかだけどね。」

「そっか、じゃあ、また後で。」

「ふふ、後でね。」


 淳一の班、奥田さんの班とも順調に終わった。

 次は井原亜衣か。

 秋山さんのグループでも俺たちのグループでもないが、班長になって企画に参加してくれた。

 ただ、今の所は目立ってないけど、一部の女子をまとめて、いじめる側になりそうなタイプらしい。

 まあ、クラスの雰囲気が良くなれば問題ないというのが省吾の判断だから、フレンドリーに接しておくかな。

 でも、この企画に参加しなかった森たちはどうしてるのだろう、先生がくっ付いて行くとか話していたけど…。

 おっ、いたいた。


「お~い、こっちよ~。」

「はは、井原さんも楽しそうだね。」

「へへ、ねえ、哲平くん。」

「うん。」

「今回のこの企画って赤澤くんの発案なの?」

「ああ、そうだよ。」

「そっか、ちょっとしたことだけど面白いなって。」

「どんなとこが?」

「ほら、学校と全然違うとこでさ、クラスメートとの出会いがあって。」

「そして、別れが。」

「北村は黙ってなって。」

「今日は五人ずつが学校と違ってなんか気軽に出会って話せて、入学してから初めて話した人が何人もいるのよ。」

「それが省吾の狙いだったのさ。

 話題に困ったら目の前の動物をネタに振れば良いと言われてたけど、実際には特に気を使う必要もない、クラスのみんなをぐっと身近に感じてる。」

「私も。」

「そう言えば省吾たちのグループとは?」

「まだよ。」

「そっか、俺たちはこの次だけど…。」

「赤澤くん、ずいぶん個性的な人達を集めたわよね。」

「ああ、少し怖い気がするのだが。」

「何が起こるのか楽しみだったりして。」

「はは。」

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