第7話 パーティ結成!
どうもぉあのね このなですぅ!エリザベス(ネタバレ)のキャラが気に入っちゃいましたぁ笑笑
ここからぁゲームだ!と感じさせるぅ機能が出てきますよぉ!その1つがぁパーティですねぇ!
「いやぁ、困ったな。こいつを凍らしたのはいいとして、最寄りの島を聞いておくべきだった。」
幻の島、それは自然がつくった奇跡。海の地平線まで青い海に青い空しか存在しない。磁力をも歪ませるその自然の力の支配下では、方位を示すものも全て無意味。
「ん〜、君の氷で海をひたすら歩けばいつか届くんじゃない?」
カミラは閃いていたが、表情はまるで無。位置も距離もわからない島まで自らの脚を運ぶことは相当な骨折りである。
「そこでわしの出番じゃのぅ!」
真上から人が降ってきた。いや、飛んできたと言った方が正しいだろう。それはさっきまで船長物語を語っていた老猿。
「猿爺さん!? なんでここに!?」
「わしは造形魔導士じゃ。私の目となる物を作れる。例えば、あのカメラもそうじゃ。」
老猿は真上を杖で指した。そこには、カメラらしき物体が浮いていた。
モブがこんなに賢いはずがない!
「頭脳では負けたわね、リューマ。」
黙れ、アイラ。
「それはさておき、何しにきたんですか?」
「小娘、わしの話を聞いておったんがぃ? 造形魔導士じゃよ? 宇宙船ってほどじゃないが、島まで届く小さな乗り物をつくれるぜぃ。」
この猿、幼女相手に格好つけてるな。きもいな。
「でもあそこに海賊船が…」
「空を飛べるんじゃぜぃ?」
「欲しい! 欲しいです、欲しいです!」
「尻軽女め。」
「ん? なんか言った?」
「い、いや、別に。」
全体的に見れば、顔には微笑みがあるカミラ。しかし、その目からは殺意しか感じ取れない、鬼の目である。
この子恐ろしい。ひぃい。
「ほぃ、できたわぃ。」
老猿は一瞬で宇宙船を造って見せた。
「「ほぉおお!!」」
それは1人乗り用の小さな乗り物であった。全体的に細くてとんがっており、そのh形は枝豆のようである。
「うん、なんか、枝豆。」
「枝豆ですわね。」
「何が枝豆じゃ! わしのお気に入りの傑作じゃよ!」
村人の割には感情があるように見えるのも、ゲームの現実化と関係あるのか? なんていうか、俺ら人間っぽいなぁ。
「説明しよう。リューマたちみたいにゲームアプリをダウンロードして遊んでいる人のことをプレイヤーと呼び、プログラムされたゲームに既にインプットされている人のことを村人と呼ぶ。
村人はプログラムの関係で決まった動作やセリフしか行えないはずじゃが、現実化したこの世界では、村人はプレイヤー同様、自由の意思がどうやらあるようじゃのぅ。
今ではプレイヤーと村人との見当がつかないほどじゃ。もしかすると村人の方がプレイヤーより強い、なんてことも考えられるのぅ。」
どこから出てきたのか、どうやってリューマの考えを読んだのかわからない謎のおじさんがまたも姿を露わにした。しかし、その存在に気づく者はいなかった。
へぇ、やっぱ心あるよなぁ。
言い直そう、存在には気づかなかったが、声に気づいていた者がいたと。
それはさておき、リューマとカミラは早速その乗り物に身を運んだ。だが1人用に造形されたものであり、2人が入るには少し性を忘れる必要がある。
「どこに顔を突っ込んでるのよ。」
「おっぱいだ。」
「答えるな!」
「だって、お前が運転席を横取りするから…」
「私が運転するの! とにかく、あんまり動かないで。これを飛ばすわよ。」
運転席に座ってハンドルを握ってるのがカミラ。リューマは猫のように体を丸めてやっとおさまったようだ。
「あ、飛ぶにはその緑のボタンを押せばいいんじゃよ?」
「緑のボタン? どれどれ…あ、これね。えい!」
ハンドルの左側にある緑色のボタンをためらいもなく押した。すると宇宙船は跡形もなく消えた。
「あ…空を飛ぶんじゃなくて、瞬間移動だったわぃ。まぁ、ええか。」
何がなんだか理解する隙もなくワープしたその船はとある都市のてっぺんにたっていた。
「絶対に動かないで? いい?」
「はいはい。」
あの猿爺さん、今度会ったら凍らす。
「流石の私でもヒヤヒヤしたわ。そうだね、賛成だわ。」
大きなビルの鋭くとんがったアンテナの上にうまく乗っかっている。そして誰が予想したのだろうか、この瞬間移動船は使い捨てである。
「「ギャァァア!?」」
魔導士の最大の弱点、それは距離である。どんなに凄まじい魔力を持て余す魔導士でも、遠く離れた場では魔力は長持ちしない。
これも論外ではなかった。瞬間移動船は消滅し、2人はおよそ100メートルの高さのビルから地面に衝突しつつある。
「リューマ、なんとかしてよ! 私はドラゴンライダーじゃない! 死ぬって!」
「んなこと言ったって、氷だぞ? カッチカチだぞ? どちみち死ぬ。」
「「ギャァァア!!」」
そして顔面が地面に衝突する寸前の時、彼らは何らかの力によって浮いた。
「「え!?浮いてる?」」
「どーもぉ、どーもぉ。2人揃って愛の自殺ですかぁ? もったいなぁい。」
彼らの前に現れたのは、感情がまるで無のブロンドヘアーの美女。手を差し伸べていて、どうやらリューマ達を浮かせてるのはこの謎の美女のようだ。
「誰だ、お前?」
「敵かも!?」
「落ち着いてくださぁい。私はエリザベスだよぉ。それに、ここはセーフエリアなのでぇ、敵だとしても殺せないよぉ。」
「「セーフエリア?」」
セーフエリアか? 確かにそれなら俺たちが死んでもアイテムはドロップしない。だが、他人を助ける意味は? 何か目的があるのか? いや、深読みしすぎか。でもこいつからとんでもねぇ気を感じる。
「流石リューマ、気を探知できるようになるとはね。そう、この女はやばいわよ。アランとは天と地の差ほどだわ。」
アランよりすごいのか、こいつ。
「ついてきてぇ。」
エリザベスと名乗る美女。リューマ達をおろして街を案内しはじめた。
「君たちはぁ、どこからぁ?」
「スモール諸島よ。」
「俺はアパリシタ。」
「随分遠い場所から来たねぇ。この世界にはぁ、4つのセーフエリアがあるのぉ。ここはぁ第4の広場ぁ。あちらは休憩所と言ってねぇ、休めるのよぉ。」
「そうか。てかセーフエリアってことは、モブの出没もないよな?」
「はぁい。あの人もぉ、あの人もぉ、みんな怪しいけれどぉ、ここなら危険はなぁい。」
街を見渡せば、彼方此方に騒いでいる連中や、ソロプレイヤーらしい怪しい人らがいる。小さな販売店も数多く確認できる。
「おぉ! あの鎧すっげぇ!」
「いい目してるねぇ。あの店はこの街でぇ、1番すごいらしいよぉ。なんだって、製造してるのはぁ、ベータテスターだとかぁ。」
「「へぇ。」」
ベータテスタ、それはゲームが正式に表に出る1つ前の段階。バグやスムーズ感などを最終確認するためのもの。テスターには褒美も与えられ、正式に発表された時は、有利にはじめられる。
ケンの奴、ここまで尽くしていたとはな。
「あんたもベータテスターだわね。」
「はぁい。あなたのその片目、ドラゴンライダーねぇ。今は修正されたけれどぉ、ベータでは、その目が基本だったよぉ。」
それでこのすごい気が…
「私もぉなのよぉ。」
「え? 両目同じじゃない!」
「カラコンなのよぉ。ベータテスターと知られればぁ、アイテム欲しさにぃ集団でぇ狙われるよぉ。あぁ、あれあれぇ。あれがパーティが結成できるぅ、セントラルビルぅ。」
するとエリザベスは、プレイヤーの出入りが激しい大きなビルを指差した。
「ちょっと待ちなさい。あんた、なんで私たちが既にパーティじゃないとわかった?」
「えぇ、気づいてないのぉ? 名前の横にあるアイコン〜。ソロはぁアイコンはなぁい。」
「あ、そう、なのね。」
ヤギ海賊団の奴らは少し離れてたから気づかなかったのか。エリザベス、ソロプレイヤーなのか。強いのになぁ。
やがて3人はセントビルの中へと脚を運んだ。そこには仲間と共に腹を満たしている人もいれば、掲示板でミッションを選んでいる人もいる。そしてリューマ達は受付の前へと並んだ。
「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか?」
「えっと、パーティを結成したいです。」
「パーティ結成ですね。パーティ名はどうなされますか?」
「どうする?」
「知らないわよ、リーダーが決めるもんでしょ。」
「んじゃ、とりあえず今はまだ名前がない団としてやります!」
「今はまだ名前がない団ですね。素敵ですね。アイコンはどうなされますか?」
「どうやってやるんですか?」
「想像したまま、この鏡に指を触れればアイコンの出来上がりです!」
受付人はテーブルの隅っこにある小さな鏡を指し、リューマは触れる寸前のところで構えた。
どうしようかなぁ。せっかくだからかっこいいのにしたいなぁ。
「アホみたいなのにしたら? お似合いよ。」
アイラは黙っとけ…
「素敵なアイコンですね!」
「あっ…え?」
アイコン以前に、パーティ名がとんでもないことになっていることに、彼らはまだ気づいてはいなかった。
この作品に出てくる人物や生物、科学的なものは全て筆者の変態な妄想によるものであり、現実とは全く異なる場合がございます。