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ダンジョンにて。

 ダンジョンにて。




(ヤバいヤバいっ!)


 俺、斎藤慎二は今、死の危機に瀕している。


『ズズンッズズンッ』


 俺が隠れている岩の隙間の前を巨大なドラゴンが横切る。ドラゴンが横切る時ちらっと見えたその眼はまるで、歴戦の老兵の様に細められ常に敵を見据えているようだった。


『ズズンッズ・・・』


 音がだんだんと遠くなっていく、どうやら危機は去ったようだ


「・・・はぁっ!」


 どうやら俺は気配を消すと同時に息まで止めてしまっていたようだ。


「はぁ・・・何で俺なんだよ。」


 特に川谷豪の感にさわる事はしていなかったはずなんだが、しかし・・・


「ここはどこなんだ?」


 ぜってー初級者向けのダンジョンじゃないし、てかこんな初級ダンジョンがあったら勇者が量産できるわ、魔王なんてめじゃねーよ。


 ・・・結構落ち着いてるな俺、こんなところに飛ばされたって言うのに。勇者召喚の得点か何かか?(こいつの精神が図太いだけです。)


 ・・・今、何かとてつもなく失礼な事を言われたような気がしたんだが。


 まぁ、それはともかく今は装備確認だな、量産品な剣とゴブリンが使ってたナイフ、武器はこんなもんか。


 食料は干し肉に鉄のようにかったいパン、数個だけ、その他はポーションだったり、狩った魔物の魔石だ。


「食料事情が結構、深刻だなぁ・・・。」


 このダンジョンではたして俺が倒せるようなヤツがいるのかねぇ・・・それ以前に食料になるやつがいんの?


「はぁぁぁぁ・・・。」


 この先の事を思い、俺は深い溜め息を漏らすのであった。















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