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そして君は巨人となった。男2女2。13分。

作者: 七菜 かずは

そして君は巨人となった。

男2女2が理想。


役表

杏子あんず♀:

画茶がちゃ♂:

勢五ぜいご♂:

葡萄ぶどう♀:






CAST

杏子あんず 女

明るい少女。太っている?? 12歳~19歳。


画茶がちゃ 男

チンピラ。頭が悪い。20~40歳。


勢五ぜいご 男

真面目な好青年。チームの輪とかが乱れるのが許せないタイプ。エロいことが好きな普通の男。関西弁? 20~25歳。


葡萄ぶどう 女

我儘で面倒臭がりなお姉様。短気。杏子のお姉ちゃん。20~30歳。


★ローマの街で細々と暮らす、仲良し四兄弟。

今日は、四兄弟の末っ子、杏子が、不思議な夢を見たらしく……?











杏子「段々段々と、まずお腹が大きくなったの!」


何も見えない、真っ暗な部屋の中。四人は向かい合って座っている。

杏子の明るい声が、辺りに響く。


勢五「おーおー、それで?」


杏子「それでね……えっとね、その~……あの~……」

葡萄「はやく話しなさいよ」

杏子「ちょっと。今話すところだったでしょ!」


画茶「妊娠じゃねえ?」

勢五「十二歳で!?」

杏子「違うのよ!」


画茶「何が?」


杏子「だから。異性に触ったことすらないんだから!」


勢五「プッ」


杏子「笑わないで! あたしが可愛いからって笑わないで!」


勢五「せやで失礼やぞっブブフッ」

葡萄&画茶「お前だよ!」


葡萄「でも、大きくなったのはお腹だけじゃなかったんでしょ?」


杏子「そうなの! よく気づいたわね!」


葡萄「いや。見たまんまの話よ」


杏子「それでね、今度はね、腕が伸びて!」


画茶「なんとかの実でも喰ったんじゃね?」


杏子「やめてよ! あたしは自分を、ファンタジーな存在だなんて」

画茶「思ってな~い~っ!!」


杏子「あたしの台詞!」

葡萄「私も言いたかった」


杏子「もういいの!」


葡萄「続けて」


杏子「んん。あのね。それでね。だってお腹が大きくなって腕が三倍に伸びたのよ!」


勢五「ファンタジーと呼ばずになんと呼ぶんや? それ」


杏子「ドリームよ。マイドリームエクスタシイ!」


画茶「おいあの赤鬼、頭ん中花だらけなんじゃねえ?」


勢五「そんなんわぁっとるよ」

杏子「赤毛気にしてるのに!」

葡萄「ハイハイ余計なことはいいから」

杏子「よくないお!」

葡萄「知りたいのはなんであんたがそんなんなっちゃったのかってこと」


杏子「あたしだってわからないのよ!」


画茶「なんか悪いもんでも食った?」


葡萄「昨日何食べた?」


杏子「インゲン豆と」


葡萄&画茶&勢五「うん」


杏子「ひよこ豆と」


葡萄&画茶&勢五「うん」


杏子「大豆と」


葡萄&画茶&勢五「うん」


杏子「人間の男性の、二子玉川?」


勢五「ハイ待ってくださいおかしいです!!」

葡萄「はいどうぞー」

杏子「え? どうしました?」


勢五「お前さっき、男性には触ったことないって言わんかった?」


杏子「ええ、言ったけど」


勢五「嘘やん! そんなん嘘やん! 色んな同意があったはずやん!」

画茶「ゼーゴ、テンション上がりすぎ」


勢五「なんで? 待ちい。ニコタマ食べちゃったん? なんで? 日本列島大好物なん?」

杏子「少し……」(とても照れて)

画茶「男の玉の切り売り!? イタタタタタッ!」

勢五「イタタタタタッバカヤロウ! おまえら二人バカヤロウッ!」

画茶「おれも?」


葡萄「待って。私は思うのよ。男性は意外と、女にニコタマを咥えられるのが、イイらしいわ!」


勢五「なんの話や!? 君だけは最後の砦やと思い込んどった! まともだと思っとったわ!」


葡萄「残念だったわね。怪盗ルパァン」


勢五「やめい峰不二子やめろい!! 俺は、普通の、在日韓国人、でっせ!!」


画茶「日本語めっちゃうまいよね」

勢五「祖国帰りたくないからね」

葡萄「日本大好き過ぎだろお前」


杏子「とにかくね。身体が突然巨大化しちゃったの!! あたし」


勢五「待ち。話の展開いきなり最終段階に来たぁ! 順々に話していくっていう流れが! 計算が!!」


杏子「だってエロい話はじめるから。なんかもういいかなぁって」


勢五「お前が二子玉川とか言うからやろおおお!?」

葡萄「ゼーゴ下ネタ好きじゃん」

勢五「待ってくださーい?」

画茶「ねっみいー」

杏子「おなかすきました」


勢五「待ちぃ! ここは楽屋裏とかじゃねーから! ね! みんなアンコの話聞こうや!!」


画茶「アソコ?」


杏子「アンコでもアソコでもねえし! なんなのよ!」


葡萄「そういう目で見過ぎ。ゼーゴさいってー」

画茶「ゼーゴさいってー」(勢五を写メ撮る)

杏子「ゼーゴさいってー!!」(勢五を写メ撮る)


勢五「写メ撮んなやあああ!!」


杏子「ねえ、葡萄ちゃん……」

葡萄「どした」

杏子「あたし、一生このままなのかな?」

葡萄「さー。どうかしら? でもさ。この世の他の大陸は大体沈没しちゃった訳で……」


杏子&勢五&画茶「うんうんうん」


葡萄「あたしたちって、アダムとイヴみたいじゃない?」


画茶「それはねーなー」


勢五「悲しいことさらっと言うなよ!」


杏子「ねえ。あたしって今身長何センチあるんだろ?」


葡萄「五メートルはあるでしょうね!」


杏子「そんなにある?」


画茶「あるかもなあ」


勢五「四人で力を合わせて生きて行こうや!」


葡萄「うーん」


勢五「え、何、どしたん」


葡萄「もう滅んでもいいんじゃない? 人類」


画茶「珍しく消極的じゃねえか」


杏子「葡萄ちゃん?」


葡萄「だって。この世に残された人間が例えばあたしたち四人だってのが本当にわかったとしてもさ。私、どっちともしたくないわ死んでもしたくないっ」

杏子「あー」

勢五「あーってなんで!? 俺は葡萄好きやでずっと前から!!」


葡萄「知ってる」

画茶(テンション低っ)

勢五「おいおいおいこんな時だからこそ!! 今まで眠っていた君の恋が目覚めるはずやん!!」

葡萄「無理かなあ」


画茶「アソコは?」


杏子「あ、ん、ず!」


画茶「しろって言われたら出来んの? まあそんな身体になっちまってもさ」


杏子「ゼーゴよりはガチャさんのほうがマシ!」


勢五「嘘や!?」


葡萄「でもそいつ性病持ってるわよ」


杏子「そうなんだよねえ」


葡萄「それに。子供がそんな顔で産まれてきたら。首絞めちゃうかも」


杏子「あー」


画茶「オイオイ! 色んな方向からガラスノハートに銃を撃たないで!」


杏子「身体さあ、もとの大きさにもう戻らないのかなあ?」


葡萄「色んな草とか食べてみたら?」


杏子「うーん」


葡萄「キノコには気を付けてね」


杏子「大丈夫。図鑑あるから!」


勢五「葡萄っ……」


葡萄「何?」


勢五「俺は……性病持ってないよ」(カッコよく)

葡萄「うるさい死ね」

勢五「何故ぇぇ」


杏子「葡萄ちゃん、な、なんだか……あたし、気持ち悪い……」


葡萄「えっ!?」


画茶「アソコ、大丈夫か!?」


杏子「あんずぅ」


葡萄「ゼーゴ、水持ってきて!」


勢五「おおおおうっ!」


杏子「うう……や、ば、い、かも」


葡萄「横になる!?」


杏子「う、うっ……吐きそ……」


画茶「つわりじゃね!?」

葡萄「黙れ死ね」

画茶「う~ん!」


杏子「ぶ、ど……ちゃ……」


葡萄「杏子、杏子!!? 杏子!!」


杏子「うっ――!! ぁぁぁああああああああ……!」


杏子の背中から、翼が生えてくる。


葡萄「な、何?」


画茶「羽が生えたぞ!?!?」


葡萄「杏子ちゃん、杏子!!」


杏子「……っ? あ、あれ? ええっ?」


画茶「ついに人間じゃなくなった訳だ」


杏子「おねえちゃん……」


葡萄「杏子、怖がらなくていいんだよ。あたしはあんたをこわいなんて思わないよ!!」


杏子「……おねえちゃん、あたしってなんなの?」


勢五「フッ。ついに覚醒してしもうたか……。杏子」


杏子「ゼーゴ?」


葡萄「あんた、杏子に何をしたの!?」


勢五「杏子! お前と葡萄は血が繋がってない姉妹やったんや!」


杏子「え。それは知ってる!」

勢五「う!? あ杏子ッ!! お前の祖先は、馬と鳥や!!」

画茶&葡萄「ええええええええええええええ!?」

杏子「そうなの!? やっぱり人間じゃあなかったんだ!」

葡萄「いや話を簡単に受け入れすぎ!!」


勢五「ただ……。何故お前の身体が、そんなに巨大化してしまったのかーは……。ワカラナイッ!!」

画茶&杏子「わからないのかよ!!」

葡萄「意味不明!」


杏子「お姉ちゃん。あたし思うの。今って人類の危機だよね?」


葡萄「う、うん」


杏子「だから。それを悟って。あたしは葡萄お姉ちゃんを守るためにきっと、進化したんだと思う!」

画茶「な、なん、だと……!?」

葡萄「そう……。そうだったのね!」

勢五「ええ話や!」


杏子「あたしが、あたしがお姉ちゃんを守るから! お姉ちゃんを独りにはさせないよ!」


葡萄「杏子……っ!」

杏子「お姉ちゃんっ!」

画茶「あ杏子! 思い切り抱き締めると葡萄死ぬぞ!?」 葡萄「ウッ!!」

杏子「おっと!?」

葡萄「凄い怪力だったわ……」

杏子「お姉ちゃん、血が!?」

葡萄「大丈夫よ! グフッ!! 杏子に触れたことによって私も進化したわ! どんな病気も怪我も0.01秒で治す力よ! そう。これは再生の力!」

杏子&画茶&勢五「おおお!?」

葡萄「食べたはずのもの、消えたはずのもの、消化したはずのものをこの世に再生する! 無から有を作り出す力よ!」

杏子「お姉ちゃん、凄い! 画茶さんっ! 画茶さんも!」

画茶「おおっ!」 勢五「おお!?」


画茶「ちっ力が、力がみなぎって来るッ!! こっこれは……!? ありとあらゆるものを分裂させる、力だぁっ!?」


勢五「おっおれはー! おれはー!?」


杏子「くたばる力!!」

勢五「ぐはぁっぐはあっぐはぁーっ」






杏子「っていうね、夢を見たの」


葡萄&画茶&勢五「ふ――――――ん」


いつものように。四角いテーブルを囲んで四人兄弟で朝食をとっている。


杏子「見せたかったなぁ~。五トンのあ・た・し」


勢五「見たないわ! さっさと飯食って学校行きやがれ!」


杏子「ははは」


葡萄「ガチャ兄さん。また夜勤?」


画茶「あー。たまには葡萄の夕飯食いたいなあ」


葡萄「杏子ともたまには遊んでよね。ゼーゴ兄さんは臭いから、イヤなのよ」

杏子「イヤなの~」

画茶「へいへい」

勢五「傷付くゥ~!」


杏子「葡萄お姉ちゃん、今日早く出るとか言ってなかった?」


葡萄「あっ、やばっ、そうだった! 支度支度!」


勢五「待って俺先に髪やらせて!」

画茶「お前何時間洗面台占拠してんだよ」

葡萄「そうよその前に整形してこいよ」

勢五「ひどいわあ~」


杏子、ウインナーを頬張りながら。窓から見える綺麗な空を見上げて。


杏子「もぐもぐ……」


葡萄「ごめん杏子、片付けお願いしていい!?」

杏子「うんっ、いいよ~」

画茶「俺トイレ!」

勢五「あっ無理俺先!」

画茶&葡萄「漏らしとけよ!」

勢五「ひどすぎ!」 画茶「くせえんだよゼーゴ!」


杏子「……鳥って、楽しいのかな? 飛ぶの……楽しいのかな?」


画茶「ゼーゴ邪魔!」 葡萄「ゼーゴ顔邪魔!」

勢五「うおおおおん! 次男への愛! カムヒアー!!」

画茶「うっさ」 葡萄「死ね」


杏子「もぐもぐ……。……? あれ?」


葡萄「よしっ! 準備おっけ! いってきまーす!」

画茶「いってきまーす」

勢五「いってきまぁす~」


杏子「ッきゃ――――!!!!?」


勢五&画茶&葡萄「!!?」


葡萄「杏子!?」

勢五「杏子!?」

画茶「どどどしたっ!?」


杏子「たいへーんっ!」


勢五&画茶&葡萄「??」


杏子「胸がちょっとふっくらしてきちゃった!!」






END!!

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