「好き」と言うこと
初投稿になります。拙い文章ですが、よろしくお願いします。
その日ゆかりは心に決めていた。今日こそは、大好きな隆に好きだと口にすることを。隆とは私の彼氏で、付き合ってもう1年になる。
よく行っていたバンドのライブで何回か顔を合わせるうち、意気投合し、付き合うようになったのだ。だが、なかなか素直に甘えることができないゆかりは「好き」と口にしたことがなかった。
ピンポーン♪とチャイムの音がし、気合いをいれていそいそと出迎えるゆかり。だが、不機嫌そうな隆の顔。
「ど、どうしたの?」
「あ?別に、どうもしねぇけど」
とにかく不機嫌。好きとか言ってる場合じゃないと、ご機嫌とりに。
「今日、隆の大好物つくったんだぁー。からあげ、好きでしょ。それからぁ…」一生懸命アピールするゆかりに隆はため息をつき「悪い。なんか、今日俺態度悪いよな。飯食うか」と気をとりなおす。
ごはんを食べてほっこりして、ゆかりは「好き」と言うなら今だと思い、 「あの…あのね、隆…。あの……その……」
「なんだよ。」急に機嫌が悪くなる隆。
「わかってるよ。言いたいことは。」
(えっ!?わかってるの ?わかってるのにその態度なの?)
「めんどくさいから聞きたくなかったんだけど」