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初めての友達
「ともだち?」
綺麗な緑の眼が、ちび蛍を見つめました。
ちび蛍はどきどきしました。
「わからない。ともだち、とは何だ?」
「ボクと仲良くしてくれるひとです」
「どんなふうに?」
ちび蛍は考えました。どんなふうな友達が欲しいか。
でも、よくわかりません。今まで、友達なんていなかったんですから。
ひとりぼっちだったから。
だから、ちび蛍は簡単に答えました。
「ボクと一緒にいてくれるひと」
すると、そのひとは言いました。
「わかった。では、私とともだちになろう」
細く、白い手がちび蛍に伸ばされました。
「私は妖精王。この森を護る王」
「ボクはちび蛍。ちっちゃいからちび蛍」
ちび蛍は、妖精王の手にとまりました。
妖精王の手はあったかくて、旅の疲れがすぐに消えてしまいました。
ちび蛍は喜びました。
生まれて初めて、ちび蛍は友達ができたのです。