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4話 きりんぐ ふぇすた

 今日もいい一日だ。

 目が覚めると床に落ちていた。風化しなくて良かったと一瞬安心し、また、一晩で風化はしないかと気づきより一層の安心。

 新調した装備一式を身に纏い、俺は家を出た。道中再び地面から同胞が、それも二匹湧いたので昨日と同じく小剣(ショートソード)で頭をどついて殺害。それにしても骸骨って元々死んでいるのか動かなくなったのかと言われると微妙だ。よく息絶えると言うがまず肺が無いし。

 いつものポイントに体を潜めていると、暫くしてから新人と思しき冒険者が、たった二人だけで入ってきた。襲いくる骸骨戦士たちをよく捌いてはいるものの、やはり無謀な挑戦だったか、体に傷が出来上がっていく。二人はもうすぐ骸骨の群れに押し潰されるに違いない。しかしそこは、俺が強くなるために一肌脱いで欲しいところだ。

 いつも通り使い慣れたクロスボウに矢を装填、一射目は片割れの胸のど真ん中に深々と突き刺さり致命傷を与える。急に味方を失って一人になった新米は泣き叫びながら剣をむちゃくちゃに振るい、やはり骨に剣を取られる。ここで第二射を放ったがあまりの暴れように掠るのみでマトモに当たらず、かえって余計な混乱を招いた。予想通り、同胞の鉈にその肩口を切り裂かれ、噛みつかれ、頭を棍棒で殴られ満身創痍で散ることになってしまった。

 ふぃ~っと胸中溜息を零し、一応盾を持ってぶらりと通路に出る。

 奴らには他の骸骨戦士への仲間意識はないが敵対心もない。俺が武器を持っていても、あまつさえ攻撃しても攻撃をした個体以外から反撃はない。つまり。

 一体の骸骨の腕を持ち上げ、ぺしっと他の骸骨の頭部にぶつける。知能の低い骸骨戦士はいとこも簡単に敵意を、俺ではなく腕を取られたままの骸骨に向ける。始まる喧嘩は周囲を巻き込み、派手になっていく。俺は弱った個体をぶん殴り、時には襲い来る腕を跳ね返して騒動の中暴れまわった。

 俺が貰ったモノと同じような小剣を避け、肋骨を盾の縁で砕き、時にはコケてしまい思うように動けない不運な仲間の頭を踏み壊す。

 やがて狂宴は終わり、最後に残るのは俺ともう一体の骸骨。どうやら敵意むき出しのようなので交戦することに。

 鉈を盾で受け、腰から短剣を引き抜くと峰打ちで腕を折り砕く。もうすっかり慣れた対骸骨用の攻撃方法だ。武器を失った骸骨を強引に盾で殴り殺す。骨だからいいが、肉体を持ち血の通った生物ならグチャグチャで凄惨な殺害現場ができていたに違いない。

 そんなわけで祭りは終了、俺は山のように骨が転がる場所を後にした。



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