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魔王さま、魔界税を払ってください。

課長と二人、受付の椅子に座る。


先ほどの課長の正体が気になり、

受付の説明がまったく頭に入ってこない魔王さま。


その横で、鈴木課長は静かに説明を聞いている。


「——以上が、住民票発行までの流れになります」


受付のダークエルフが淡々と告げる。


課長が小さくうなずいた。


「ありがとうございます」


そして、魔王さまの方を見る。


「魔王さま、魔界税は納めておられますか」


魔王さまはハッと顔を上げた。


「……魔界税?」


「我は、魔王だぞ」


沈黙が落ちる。


受付のダークエルフが、ゆっくりと口を開いた。


「魔王さまでも、魔界税は納めていただきます」


魔王さまは固まる。


「住民票とやらを取りに来ただけなのに……」


力なくつぶやき、項垂れる。


課長は静かに補足する。


「未納の場合、延滞金が発生する可能性もございます」


「……延滞?」


魔王さまの肩が、ぴくりと震えた。


ダークエルフは事務的に続ける。


「なお、滞納が続いた場合——」


一瞬、間を置く。


「差し押さえの対象となります」


「……なにをだ」


「魔王城などが該当します」


魔王さまは、ゆっくりと顔を上げた。


「我の城を……?」


ダークエルフは微笑む。


「はい」


静寂。


——魔王さまは、三度目の沈黙に沈んだ。


「……侵略より先に、納税か」

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