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魔王さま、お住まいはどこですか
魔界に住所などない。
ここが住処だと、主張すれば住処になる。
「番地…なんだ?」
魔王さまは、半分涙目だ。
「あれ?魔王さま?」
魔王さまの後ろにいた掃除のおばちゃんが
不思議そうな顔で声をかける。
魔王さまが振り返る。
「おま…え、アシュベルか?」
「いえ、佐藤です。」
掃除のおばちゃんは、すかさず否定する。
「魔王さま、なにしにきたんですか?もしかして、魔王の座取られたん」
「侵略だ!」
辺りはシーンと静かになる。
佐藤は、わたしの顔を見ながら一言。
「八尾さんも大変やな…こんなアホに説明せなあかんの」
はぁとため息をつきながら、同情の目で見てくる。
そうですよねと言いたい気持ちをグッと抑え
「では、魔王城何丁目の何番地でしょうか」
淡々と作業をする。
現在、11:40
そろそろ昼ごはんだ。




