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第25話 鉄〇ダッシュ的思考で乗り切ります。そして戦争の予感…? もしかしてシリアスモード?

※第一部『魔法大会編』はこちらからお願いします!

 https://ncode.syosetu.com/n0962lq/1/

 ひとまず、フェンリル・ベルクに戻ることにしたわ。頼れるのはハンスのお父様だけだから、部材の申し入れをしてみたのだけれど…。


「生憎、金子は提供できませぬが」

 ハンスに似て、生真面目な方よ。長年辺境伯に仕えているらしいわ。

「辺境伯閣下より、古い武具であれば利用して良いと許可を頂きました」

「ご厚意誠に感謝いたしますわ。ぜひ、拝見させて頂けます?」

 ご案内いたします、という事で案内されたのはフェンリル・ベルク要塞の地下倉庫よ。ひんやり…を通り越して寒いわ、氷点下になっていないかしら? ともかく、防寒具を着こんで調査開始。ランタンを幾つか壁にかけて、最低限の光源を確保したわ。


「鉄だけ確保できれば、板金を依頼できるかしら?」

 そう思っていたのだけれど。

「お嬢、すまねぇ」

 街中に出ていたバルトロメとエラリーが戻ってきたわ。

「板金工、確保できなかった」

「そうなの?」

「なんかね、どの工房もすっごく忙しそうで…。なんでも、大増産の指示があったらしいよ」

「そうなの? 時期的なものかしら?」

「いや、お嬢。板金工が忙しい理由は一つだ。恐らく戦争だな」

「せ、戦争!?」


 それはまるで想定していなかったわ。だって、私が生まれて以来…どころか、ミルドガルド大陸全体でもここ五十年ばかし、戦争らしい戦争は起きてないもの!

「ど、どこと戦争するのかしら? ルグ教国(東側)のどこか?」

「それは分からねぇが…どの工房も何十年ぶりの規模と言ってたな。大規模な戦で間違いないぜ」

「大丈夫かしら、私たち?」

「お嬢、戦争ってのはそう簡単に起こるもんじゃねぇぜ。今増産してるってことは、開戦までは猶予がある、ってことだ。第一、危ねぇならセシルの旦那が連れてくるはずねぇだろ」

「そ、そうね…」

 だから一週間だったのかしら?

「ヨハンのおじさんがピリピリしてたのも、そのせいかも~」

 エラリーの分析には確かに納得だわ。戦争手前の時期に、国交はあるとはいえ、他国の公爵令嬢がふらり、と訪れる…。私でも怪しむわよ!!!


「ほな、余計急がんとあかんのちゃうか?」

 ニコラスの言う通りね。

「ハンス、大丈夫よね?」

「うん…予定通り、秋学期には学院に戻る予定…だよ」

「安心したわ…それじゃ、できるだけ加工が少ないようにしないと」

「ほな、これかなぁ」

 ニコラスが持ち上げたのは銃身よ。旧式の火縄銃ね。

「筒の所だけ拝借すりゃ、なんとか…あとはねじ切りやな」

「ねじ切り?」

「筒同士をねじで止める方法や。ただ、銃身に合うねじは…作らんとないなぁ」

「作れるの?」

「多少なら知識はあるで。最後は真鍮で固めるんや、多少雑でも問題ないで。なぁ、バルトロメのおっさん、工場(こうば)だけでも借りれんかな?」

「分からねぇが…」

「それなら、私が交渉してみる。設備が古いのでも大丈夫?」

「ま、やるだけやってみますわ」

「それじゃ、必要そうな部材を確保しましょ」


 集めた部材を羅列するわね。

 ・旧式の火縄銃…10丁

 ・錆びた鉄の胸当て…2体、これはネジに再加工する用よ。

 ・緑青が付着して、所々欠けたラッパ…3本、これは真鍮製なの。すき間埋め用ね。


「このくらいでいいかしら?」

「配管部分はそれでいいで。あと、フランソワはん、どうしても必要なやつがあるんや」

「何かしら?」

「ストーブが欲しいんや」

「ストーブ…暖炉? 流石に持っていけないんじゃない?」

 暖炉と言えば邸宅に据え付け…だと思っていたのだけれど。

「お嬢、軍用のストーブなら持ち運びできるぜ」

「そうなの?」

 困ったわ、軍用品はあまり詳しくないの。武芸は習ったけれど、薙刀術とか馬術とか、伝統的なものばかりなのよね。

「バルトロメのおっさんの言う通りや。使えるもんがあれば、鯨油皿として完璧なんやけど…」

「ニコラス…これは?」

 奥の方でハンスが声を上げたわ。ランタンを向ける。

「お、ハンスはんお手柄やで! それや、それ!」


 見させてもらったわ。構造としては暖炉と同じだけれど、密閉度が違うわね。ところどころ錆が浮いているけれど、鉄製の四角い箱よ。開閉口があるから、ここに薪とか石炭を入れるのね。天面には煙突があるわ。

「中で薪を燃やして、煙突から煙を出すんや。今回出すのはガスやけどな」

「イメージできたわ、一階にこのストーブを置くのね」

「そういうこっちゃ! で、銃身を三階まで伸ばす、と」

「それじゃ、ネジ切りの加工はニコラスに任せていい?」

「任しとき! エラリーはん、交渉頼むで!」

「はーい。あ、バルトロメさんもお願い」

「俺もか?」

「うん。私らみたいな若いのだけより、強そうなおじさんがいた方が交渉、楽だもん」

 たしかに、バルトロメの巨体に睨まれたら頑固な職人も首を縦に振るわね…。

ちなみにこれでホントにガス灯になるのか、私にはわかりません。(無責任)

理論上はなるはず…(AIの演算だと)


※第一部『魔法大会編』はこちらから

 https://ncode.syosetu.com/n0962lq/1/

※第二部『グランド・ディベート編』(このお話)の冒頭はこちら

 https://ncode.syosetu.com/n4250ls/1/

※不安な方、ご安心を。なんか言ってますけど第二部の完結までは予約済みです。

※この作品は『カクヨム』および『アルファポリス』にも連載しています。

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