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『二つの意味でバット』

◆◇◆◇◆


 流れに乗ってテールの地下3階にやってきた。シャメルさんと潜っていた時、辛酸を舐めさせられた『ゴキスラ』に関しては


「むぅ…」


 不機嫌そうなイバさんによって難なく倒されていた。が何処か違和感を覚える。ケイチョウさんもドロップした南瓜を放置しているのだ


「拾わないんですか?」


「ん?あぁ、食えたもんじゃないからな」


「チンモク、よけい」


「イバ氏は植物のドロップが苦手です」


「ギョウシ、よけい」


「はい」


 現在、テールの迷宮を主な活動場所にしているから気がつかなかった。ゴリラに単身で挑める『位置』があるのにパーティを作っていることを不思議に思ったが、それもそうか


 ドロップの『位置』が好物?と必ずしも合致するわけではないか


 野菜(人参)が好き?主食?、いずれにしろ野菜をドロップするモンスターがいるのに自分では倒そうとしない。追いかけるだけ、他人に任せる。それは必要な『植物』の『位置』が低いから


 だからファミリーだったりパーティって群を作るんだろうな。興味深い


◆◇◆◇◆


 それから数時間位地下3階を探索しているとふと疑問が湧いて出た


「そう言えばケイチョウさん」


「ん?」


 テールに来るのは『人参』の為、しかし今は地下3階から4階に向けて降りている真っ最中、目的と行動が合っていない


「どうしてこちらに?テールなんて

 人参以外で訪れなさそうなものですが」


「そういや言ってなかったな」


 そう言って前置きをしたケイチョウさんは『紙』を取り出すと僕に手渡した


「迷宮の調査?」


「あぁ、最近妙な異変が起きてるんだと」


「異変、ですか」


「階層間でモンスターの『脱走』ってのが

 度々目撃されてるんだと」


「脱走?」


「何て言えばいいんだろうか

 下の階層のモンスターが上がって

 来ちまうらしい」


「それって普通では…」


「痛っ」


 僕を含む皆が階層に響いた小さい悲鳴に視線を動かした直後、目の前に飛んできた黒い影の軍団に身体を一瞬強張らせた


「スラバット!?」


「どうやら、間違えじゃないらしい」


「(マジか)」


 原則下の階層のモンスターは上層のモノより強い、それはグレーさんの口ぶりから理解した気でいた。それは大きな誤りだった


「イバ!」


「ケイチョウ、先ずは討伐が先だ!」


「【ファイヤーウォール】」


 ギョウシさんが火の壁を作りスライムを焼き消しながら隔離をした、先までの大群から数体の集まりになった


 それでも10数体位居そうな様子に武器を構え突撃をする。気掛かりなのはイバさんだ


「低◾️◾️!」


「…」


 銅の槍による振り回し───回避された。範囲による制圧が有効に思えたがそうとも言えないらしい


『反撃』───無防備を晒した僕に接近して来た『スラバット』に槍では反応が遅れた。手に近づいて来た


『迎撃』───噛みつかれれば『◾️◾️』や『◾️◾️』の可能性がある。昔テレビで見た知識が頭を過ぎる。そんなのお断りだ。槍を手放し様、ナイフで切り付ける


「(危なかった)」


 噛まれていたらと思うとゾッとする見た目のスラバットが足元でジタバタしているので踏み潰し、視線を戻す


 ケイチョウさんらも迎撃に当たっている

 銅の槍を拾うべきか?いや、速さが足りない


「…」


 竹槍に切り替えた。しかし、速さが上がったところで、余り有効だななっていないのが分かった。空中でひらりと交わす無茶苦茶な飛び方をするスラバットに不快感が募る


「…(何だっけ、蝙蝠は)」


『エコロケーション』───いつかに見た。いつかに聞き齧った知識が甦る


 身を屈め動きを『動』───こちらからの攻撃

ではなく『静』───機を待つ攻撃を取る


「(今だ!)」


 攻撃手段も振り回しではなく振り上げによる刺突で確実に仕留めていく


「(皿、邪魔だな)」


 足元に増えていっているであろう皿が足場を邪魔する感覚に若干の苛立ちが生じた


◆◇◆◇◆


「イバ!」


 隔離したスラバットを倒し終え、ケイチョウさんがイバさんの元に駆け寄る。僕はその間にドロップ品集めを始める


『冷静』───イバさんの心配が生じたが『金銭』により生じる問題が頭をよぎり、ドロップ品による補填を念頭に行動を始めた


「あれ?」


 そしてある違和感に気がついた。皿に一纏めにして置かれている『筍』の山が目に入ったのだ


「…?」


 誰かが拾いやすいように積み上げてくれたのだろうか?そんな言葉が出てきたが疑問が残る。ドロップ品は皿から持ち上げた瞬間、皿は消える


 皿の大きさはまちまちだが余裕を持って出現するのは確認済みだ。ニスペルヘイムでも種一粒に対してそうだったように


 であるなら筍ひとつの皿に移し替えた場合、余裕は無くなっていくはずだが、『件の皿』にはそんな様子は見られなかった


「(いや、今はそんなことどうでもいいだろ)」


 余計なことが思考にかかったが振り払いつつ、鞄の中に詰めていく


「にんじんの、俺たちのも頼む」


「急いで」


「はい(ケイチョウさん達の方が大きいな)」


 鞄に詰め込み、戦線を急いで離脱する準備を進めて殿を務めるギョウシさんに急かされつつ【ファイヤーウォール】から距離を取った

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