『上位生産者を目指す理由・2』
◆◇◆◇◆
現在1階を散策している。レフトさんと同様に姿写しを使うためだ。参考までに見せてもらった彼女ことシャメルさんの位置は不思議なものだった
〜『シルバ・シャメル』〜
体力 E
魔力 C
STR E
VIT F
INT E
DEX D
AGI C
〜『成長性B』〜
植物 D
動物 C
鉱物 D
神秘 G
複雑 G
〜『成長性C』〜
◆◇◆◇◆
シャメルさんは姿写しを使いこそすれ、内容を見ることなく、スライムを次から次へと狩っていく、見失うことはないながらその皆こなしは圧巻の一言に尽きる
「(イバさんみたいだな)」
ゴリラとの戦いで見たイバさんに似た戦い方だ。比較対象が専門家というのは酷なもので、お世辞にも火力がある訳ではない
しかし、斬撃を瞬きの間に二、三と重ねて放つ速業。スライムの半流動体でさえ防ぎ切ることができずに粉微塵になり『もやし』や『空気』に変わっていく
「休憩〜」
「お疲れ様です
僕は少し見回りをしてきますね」
ある程度狩を終えたシャメルさんは降る階段の近くで雑に座り込むと大きく息を吐いた。僕は周囲にモンスターが来てないか軽く見て回ろうと
◆◇◆◇◆
「久しぶりに暴れたぁ」
「普段はあそこまで戦われないんですか?」
「だね、隊長ともうひとりの3人だとね
足取りも合わせないといけないし」
「確かにそうですね」
「安全ではあるんだけど
あのままじゃ上を目指せなかったかも」
「シャメルさんは何故
上位生産者を目指すんですか」
「…秘密」
◆◇◆◇◆
「楽勝」
足を伸ばして地下2階、シャメルさんの実力は地下2階でも通用することが分かった。驚くべくは『状態異常』への耐性だろう
魔力の値が高ければ『状態異常』にかかりづらいことは『魔力欠乏症』で何となく予想できていたもののシャメルさんに眠気が起きる気配はなく、動きにも影響が出ている様には見えなかった
◆◇◆◇◆
「地下3階」
探索が速ければ自ずと地下への入り口を見つけるのは早くなるものでテールの地下3階に通じる階段を発見した
「早速…」
「げっ」
「何?ってうわ!」
降りようとした瞬間に目の端を横切ったそれを見て僕は思わず嫌悪感を示した
小さい上に素早く、黒い『それ』は明らかにゴキブリの見た目をしたモンスターだった
「…」
『ゴキブリにひとつ機能をつけて絶望させて下さい』───それに異世界からひとつの正解を出すとしたら
「っおぇ…」
「タイラーさん!」
『周囲の魔力を無駄食いする』だ




