第十二話〜ドラゴン討伐のそれから…〜
俺たちがドラゴンを討伐した事はこの街では有名な話になった。Aランクパーティーと言うのも有名になった事に貢献している。
そろそろパーティー名を決めないといけないな。何がいいだろう…。
パーティー名はそのうち考えるとして、今日はギルドに依頼を見に来た。金はいくらあってもいいからな。
(ゴブリンの巣の討伐と、ワーウルフの討伐と、後は街の人の依頼か…)
街の人の依頼は子供でもできるものがほとんどで、優先依頼はゴブリンの巣の討伐だった。決まりだ、ゴブリンの巣の討伐だな。
俺達の強さならまず負ける事はないだろう。街に近いからゴブリンの数も多いだろうけど俺たちならやれる!みんなで話し合って決めた依頼をする為に受付に持っていった。
「ゴブリン討伐ですね。あなたたちの強さならきっと大丈夫でしょう。」と受付の人は快く受け入れてくれて、頑張ってくださいと言ってくれた。
さぁ行こうと言う時に、入り口に急いで入ってくる人がいた。
「助けてくれ!俺の妻がゴブリン達に連れ去られた!誰か!」と叫びながら入ってきた。
俺たちはちょうどゴブリン討伐のクエストを受けたので、「俺たちが助けます!」と言うと「君たちはドラゴン討伐の!」と言って俺達を知っているようだ。君たちなら安心だと言って連れ去られた場所を教えてくれた。急いで向かったそこには、ちょうど女の人が巣に連れ去られようとしていたところだった。
「誰か助けて、いやー!」と叫んでいる。しまった、女の人がいるから魔法が打てない。女の人に当たってしまう…。
シェリーさんとトムさんで倒してもらうしかないな…。
「女の人を助ける事から優先してください!」と俺が言うと「了解した!」と大人2人から太鼓判を押された。
シェリーさんが風の魔法で強化した弓で女の人を担いでいるゴブリンに狙いを定めて放つと担いでいた二体のゴブリンに見事命中した。
良し!!俺は女の人に向かって「逃げてください!」と叫んで女の人は一目散に逃げていったのを見計らってゴブリンを倒していたトムさんに向かって「魔法を放ちます!」と言って巣に向かってマイケルと一緒に魔法の矢を放った。
洞窟の中は炎で燃えていた。これで消し炭にできるはずだ。その後魔石を持ち帰ったら任務完了だ。ところが、炎を突き破って大きなゴブリンが出てきた。鑑定してみるとゴブリンジェネラルと出た。
強い個体がいたのだ。トムさんと一騎打ちして打ち合たけどトムさんは負けていない。トムさんの身体強化でどっしりと構えると冷静に相手の攻撃を見切っていた。3度目でゴブリンジェネラルに勝ってしまった。トムさんが魔石を取り出すと、心なしか少し大きい気がする。
弟は「しゅごーい!」と大興奮していた。呑気なものだ。
女の人はこちらに来て様子を見てみると、少し傷を負っているようだった。マイケルの光魔法のヒールで無事怪我も治った。
女の人と一緒に冒険者ギルドに向かった。
男の人が走ってきて奥さんを抱きしめて「君が無事で良かった!」と泣いていた。男の人は「君達も、本当にありがとう!」と妻とハグしながらお礼を言って来た。助けられて本当によかった!
ギルド長がまた来て「君達は本当にこの街の恩人だ」と言ってきた。
ギルド長は神出鬼没だな。
俺達はゴブリンジェネラルがいたことを話すと「そうか…。ついにゴブリンジェネラルまで出てしまったか…」と少し意味深なことを言っていた。
何はともあれ、女の人を助けられてよかった。
魔石を交換した時、ゴブリンジェネラルの魔石を見て受付の人が「ゴブリンジェネラルの魔石は初めて見た」と言っていた。
魔石の数は全部で35個あった。ゴブリンジェネラルが銅貨50枚になって今日の稼ぎは、銅貨220枚、銀貨2枚と銅貨20枚になった。