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もう終わりにしましょう‥‥さようなら‥‥私は父に決められた相手と結婚します

[その後メリッサ視点]もう終わりにしましょう‥‥さようなら‥‥私は父に決められた相手と結婚します

作者: 村則

先に[短編]もう終わりにしましょう‥‥さようなら‥‥私は父に決められた相手と結婚しますを呼んでいただけると内容がわかります。


誤字修正していただきありがとうございますm(_ _)m

3/12誤字修正ありがとうございます。


 王都を出てから一週間……楽しかった二人の旅が終えようとしていた。

 私は実家に、先輩はお師匠様の所へと。


 宿屋の窓から覗く今日の空はとても晴れやかだが、私の心は曇っていた。それは……


「どうしよう……先輩に好きだと伝えたい……」


 この旅をする中で先輩のことが好きだと気づいてしまった……いや、違う……きっと、あの時先輩に慰められてから先輩に惹かれて好きになっていたと気づいてしまったのだ。だから今日、故郷に着く前に私から告白しよう。先輩にこの想いを伝よう!

 と、思っていると、隣の部屋にいる先輩から騒がしい声が聞こえてきた。


 『ああああーーっ!!……』

 私は急いで先輩の元に向かった!何か大変なことになっているかもしれないと!


 ドンドンドン!扉を叩いても反応がない!私は先輩が心配になり部屋に入った。ガチャ!


「先輩!どうしたんですか!?」


「な、何か用事かな!?」


先輩が何かをポケットの中に入れ何事もなかったように答えたが、見るからに怪しい様子だ。だって先輩の顔が……


「先輩の部屋から騒ぎ声が聞こえたので……って!先輩!顔が赤いですよ!」

 心配になり先輩の顔を覗き込んだ。


「お、おい!」


 先輩はさらに顔を赤くし、後退りした。

『な、何で!?』

 私は先輩に嫌われているかと思いショックを受けてしまった。

「急に近づいてしまってすみません」


「俺は何ともないから大丈夫だ!心配かけてすまなかったな」

 まだ、ショックから立ち直れないけれど先輩はどこも悪くないようでよかった。


「てっきり旅の疲れで熱でも出たのかなって。先輩はいつも私の荷物持ってくれていたから無理させちゃった……」私の声を遮り先輩が何だかものすごい形相で喋りだした。


「違う!俺はそんなやわな身体してない!……そうじゃなくて……俺が言いたいのはそんなことじゃないんだ!」

 なんだかいつもと違う!……でも、あの時の様子に似ている。何かを決めた時の先輩に。


「俺は‥‥俺は‥‥嬢ちゃんが好きだ!」


「……」

  ……余りにもの衝撃的な言葉で声がでなかった。まだ、現実を受け入れることができない。先輩が自分のことが好きだなんて……


 私の頭が混乱している間にも先輩の言葉が続いた。


「何事も一生懸命努力する姿、何より可愛い嬢ちゃんの笑った顔がすきだ!だから、だから!俺と結婚してくれ!俺を選んで(・・・)くれっ!絶対に幸せにしてみせるから!」

 

「……」


 何だか恥ずかしくなってしまった。先輩がそんな風に思ってくれていたなんて。


 そして、先輩はズボンのポケットから何かを取り出し、それを私に渡した。これは……


「えっ!指輪!?これ私の好きな桜の花がデザインされてる……」

 突然渡された指輪に驚いた!本当に先輩は私のことが好きだとわかり顔が熱ってしまった。それに何で私の好きな桜の花を知っているんだろう……あっ!5年前、先輩に言ったことある!えっ!覚えてくれてたの!と、考えていると先輩も顔を赤くしながら恥ずかしそうに指輪の説明をした。


「嬢ちゃんの好きな花だろ。だから、王都のジュエリー店で作ってたんだ。桜の花のデザインされた指輪がなかったからな」


「はい?……もしかして先輩が」


「へへっ、何度も作り直してやっとそれらしいのが出来たんだ。ギリ3日で間に合ってよかったぜ。これなら渡せるってな」


 見るからに職人レベルの出来栄えよ!誰もこの屈強な先輩作ったと思わないわ!


「じゃあ……」


 私は感極まってその先を言えなかった。王都から去る三日間の間、先輩は用事があるといって仕事を休んでいた。それは私のために好きな花をデザインした指輪を作るため休んだことがわかったのだ。急に胸が熱くなった。

 自分から先輩に告白をしようとしていたのに……先輩も同じ気持ちだとわかり歓喜したのだ。

 私は指輪を両手で優しく握りしめ胸元まで持っていった。側から見れば胸が苦しくそうに見えるだろう。

 私の想いを知らない先輩が慌て出した。


「おい大丈夫か!どこか痛いのか!?あああ!俺が告白なんかしちまったからだーっ!」

 と、オロオロする先輩。早く私も好きだと伝えなきゃ!


「……違うんです。先輩に好きだと言われて……」


 でも最後まで言えなかった。突然私の瞳から涙があふれ出てしまったのだ。先輩と私が惹かれあっているのがわかり感極まってしまったようだ。

 そんな時……ガバッ!っと先輩が涙を流している私を優しく抱きしめてくれた。私は以前のように先輩の胸で泣いた……以前とは違う嬉し涙だけど……


「うっ……う、う」


「いったろ、いつでも胸を貸すってな!泣きくたくなったら俺を呼べって!これからは側で何からも守ってやる!好きだよメリッサ(・・・・)


 そして、もう撫でられることがないと思っていた先輩の大きな手で頭を撫でられた。

 それは、私が落ち着くまで続いた……以前のように……だけど前とは全然違う気持ちで先輩の胸で泣いた。












「メリッサ!落ち着いたか」



 もう落ち着いていたが先輩の温もりを感じていたく甘えていた。もっとこのままでいたいが、私も先輩に自分の気持ちを伝えることにした。


「……はい……きです」

 緊張して小声になってしまった。

「今なんて?」

 聞こえなかったようだ。意を決し、大きな声でさけんだ!

「私も好きです……先輩のことが!」


 私は顔を上げ先輩を見つめた。


「「……」」


 二人は見つめ合った。この二人の空間だけ時間が止まっているようだった。


 そして先輩は緊張しながら私の肩を抱き口付けをしようと顔を近づけた……私も緊張しながら待つことにした……あと数センチで先輩の唇が届く!……寸前に邪魔が入ってしまった。


 カンカンカン!この宿の女将さんがフライパンを叩きながらやってきたのだ。


「こんな所でおっぱじめないでくれるかい!さっさと朝メシ食いに来な!冷めちまうよ」


と、言い去っていった。


「「……」」


 私と先輩は急に気まずくなり、そっと離れた。口付けはお預けになってしまった。


「……じゃあ、食べに行きましょうか」


「……そうだな。一緒に食いに行こうか、メリッサ」


 新鮮な呼び名に喜びを噛み締めながら、彼の名を初めて呼んだ。


「はい!ガンプ(・・・)さん 」


 先輩も自分の名を呼ばれ嬉しそうだった。もう先輩呼びから卒業し、彼の名前を呼ぶことにした。もう、私達の想いは繋がっているのだから。

 こうして、二人は仲良く食事に行くのであった。




◆◆◆

 食事をすませ、二人は荷物をまとめ宿屋から出ていった。見送ってくれた女将さんに『お幸せに』と送り出された。





 二人は少し気まずい雰囲気で目的地に向かった。まだ、二人の関係が変わったことに慣れていないようだ。そんな中、ガンプが勇気を振り出しメリッサに言葉を振った。


「今日は雲一つない晴天だな!まるで俺達を祝福してるみたいだ!」


「ふふっ、そうですね」

 そんなガンプがおもしろく笑ってしまった。朝は暗い気持ちで窓から空を見ていたけど、今は幸せ一杯で空を見上げた。


 そして、ガンプさんが大きな手で私の手を握り目的地の故郷、オウギ村に向かった。


 この時の二人は幸せで満ち溢れていた。メリッサはガンプからプレゼントされた指輪を見ながら幸せを噛み締め……だが、この幸せは長く続かなかい……このあとガンプはメリッサに説教される。

 実家に帰りガンプの隠し事がバレてしまうのだ。

 この時のガンプは、告白を成功したことに喜んで忘れている、メリッサの父が決めた相手がガンプだと、これから父に聞かされるのだから。



終わり




◆◆◆


次回はガンプ目線➕故郷到着を投稿します。


最後はお嬢様ざまぁ編の投稿で終わります。


残り二本お待ち下さいませm(_ _)m



読んで下さりありがとうございます。

【☆☆☆☆☆】を押して応援して頂けると嬉しいです( ◠‿◠ )執筆の励みになりますのでよろしくお願い致します。


追加情報!その後ガンプ目線を投稿しました!


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