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「――食事中すみませんね」




 街の裏路地で、もう一人の人物を見つける。そこには吸血する雅の姿と、吸血されている女性の姿があった。


「えっ、何でアンタが――」


「こちらにも事情がありましてね。それよりも――」


 まずは、女性を放したらどうかと提案する。上条に見つめられては逆らえるわけもなく。女性に暗示をかけ、この場から去るようにした。


「――これで、いいですか?」


「えぇ。ありがとうございます。早速ですが――日向美咲。彼女を護っていただけませんか?」


「始祖のアナタが動くなんて、やっぱり特別なんですね」


「まだ核心はありませんがね。それで――返事の方は?」


 じっ、と見つめられ、雅は一瞬後退した。

 深呼吸をし、なんとか向き合おうと体を動かし、


「っ――オレは、オレのやりたいことがあります」


 正直に、思っていることを口にした。

 彼に嘘は通じない。と言うよりも、それは心が――魂が、それを拒絶するから。自分よりも強い上位存在からの言葉に、逆らうなんてことは出来ない。


「では――傷つけない。これならどうですか?それぐらいなら支障はないでしょう?」


「――可能な限りってことなら」


「それでいいですよ。あ、私のことは内密に」


 しっ、と指を口に当て微笑む。その姿に、雅は頷いて答えた。


 /////




 内にあるものを、隠せはしない。




 どんなに拒もうと。

 どんなに背こうと。




 それは――抗うことのできない事実。




 初めて血を吸ったのは、もう二百年以上も前。友を殺され、呪いの完全発症を果たした。




 そして同時に――大事なモノを完全に壊した。




 あまりにも大きな罪。その日から、償いをするために存在を決意した。




 ―――時には非常に。

 ―――時には残酷に。




 果たすためには……どんな手段でも受け入れてやる。



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