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見つからないとは隠れてる己の意識が朦朧と
歪んでいくのは幻想か
立てかけられたギタースタンドには
香水の香りなんて漂いはしない
薄暗い部屋の明かりに灯された筋トレ器具と
ミスマッチの外観は
放り出して粗大ゴミにでもすれば
あの曇り空も晴れるだろうか
窓の中の小さな灰色のシミは
世界の終わりをコンコンと告げているようで
まぶたの重い隣人の瞬きは僅かに光るのか
滑りゆく床の辺りはびしょ濡れで
清掃業者の縄張りは
あっという間に広がりて
足の踏む場は何処にあるのか
地平線を超えた向こうにはユートピアと名付けられた
あたかも理想郷であると
誰が教えてくれたのか
時間が無駄に垂れ流される
そうか自問自答は不要だった
風がぬるま湯の中に沈んでいくなり




