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詩1
まだ始めもない揺らぐ頃
どこからともなく空気音が聞こえる
よく聞いてみれば車の走り抜ける音
雑踏の中に身を置く身とあれば
儚くとめどなく感じるものなのか
天地は走馬灯の如く変わりゆき
俺は走馬灯のように変わらない
進歩なき涙ぐむ病気の世界
まだ走り抜ける余裕があるのならば
是非走ってみろと急かされるかの如く
電車の切符を買うこともないSuicaの時代
星乃珈琲店ではどこかの社長が社内での愚痴を言い
講談社学術文庫で格闘している俺にとっては
極めて耳障りなバックグラウンド声音
頼むから読書させてくれ
あまりにもうるさいとスペイン語の勉強に変えざるえない
アイスコーヒー飲みながら本にかぶりつく