第3話
本日3話目!(`・ω・´)ゝ
「それはいったいどう言う事ですか?」
詳しく聞きたい事が出てきたのでカベさんに煙草を1本さらに渡して引き止める。
「おぉ、悪いねぇ。兄ちゃんは妖怪やモノノ怪って信じるかい?」
ファ!?って言いたい事を我慢して首を振り
「幽霊は見た事がありますけど、妖怪は無いですね……」
「なんだい、見えるなら居ない事は無いと思わんかね?俺達は何故こんなに縄張りを意識すると思う?そういう危険から生き残る為に戦っているからさ。要らん奴を含めて戦術が疎かになると自分達に危険が入るからな」
ふと、気付いた事があったので聞いてみる
「この公園が都会なのに一切幽霊が居ないのはそういう事ですか?」
そう、それは有り得ない事なのだ。
都会には人が集まる。悪意や善意、色々な思想、思念が集まる場所には死霊・生霊・集合霊・霊っぽい何か分からない靄
例えば、交差点で人の噂で事故にあった霊が出ると言うだけが広まるだけで。
その交差点では靄が集まり次第にその噂通りの怪奇事件が起こるのだ。
そういう意味合いではあれは妖怪なのかもしれないが。
「そういう事だ、人間を襲うよりエネルギー体の幽霊の方が弱く喰いやすいからな、だが喰う対象が居なくなれば多少面倒や抵抗されても喰い来るのが獣思考の化け物だ」
なるほどなぁと納得してしまった。
「それで、どうやって対抗しているのですか?」
そう、そんな化け物をどうやって対抗しているのか気になってしまったのだ。
「兄ちゃんなら視えるかもな?ホレ」
カベさんは右手を前に出すと……
「は?壁?」
そうカベさんの右手の前には壁というより板みたいな物があるのだ。
「ほぅ、やっぱり視えるか。兄ちゃん筋良いなぁ。名前の由来でも有るからな?壁役のカベさんって事だ」
「これ俺にも扱えるんですか?って言うより陰陽術って奴じゃないですかね?これ」
「さぁな、知らん。昔はホームレスに混じって教えてくれた奴が居るらしいが今は居らんからな」
カベさんはそんな事をケラケラと笑いながら言ってのけるのだった。
「どうして、ホームレスだったんだ?」
俺の呟きがカベさんには聴こえたようだ。
「そりゃ、ここで生活してりゃ分かるだろ?いくら周りがコンクリートジャングルとは言えここは公園で自然があり尚且つそれと一緒に暮らし、毎日3食食えるわけじゃない。そして一般社会の人間には認識出来ない埒外の存在に襲われる。何かと似てないか?これ」
そこまで聞いて俺は目を見開き納得してしまった。
「修…修験者。又は仙人修行ですね?」
「兄ちゃん頭の回転が早いなぁ、そういうこった。だから兄ちゃんにも危険が降りかかる。降りかかる火の粉を払うにも力が要るだから俺が話し掛けに来たわけだ。どーする?ここに住むなら協力して倒さないと死ぬかもしれんぞ?」
俺は悩んだ……がしかし答えが1つしかない事も分かってる。
最早、俺には再就職先も無いのだ。
ハローワークに行っても嫌な顔をされる。
指を指されてバカにされる。
金はあれど、家は借りれないならここで過ごすしか無いのだ。
俺はカベさんに
「よろしくお願いします。衣袋大牙って言います」
カベさんはニカって笑って
「おう!大食感みたいな苗字だな?タイガ頼むぞ!」
あ、よく勘違いされるやつだ。
胃袋じゃなくて衣袋なんだよなー
「胃の袋じゃなくて衣の袋の方で衣袋です。まぁ、名前の方が呼びやすいと思うんでそっちで良いです」
俺とカベさんはもう少し話をした後、服を着替えて俺は銀行からお金をおろして来て。
とある物を仕入れてきて夜に歓迎会をしてくれる事になった。
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