第16話
生物の格それはどれだけ世界の法則が変わろうがそれは変わらない絶対的な世界の仕組みだ
そんな中で異質な存在が人間なのだ
人間は1人ひとりが特異点なのだ
猛獣に対して、素手で勝ってしまう奴も居れば銃や武器を持てば勝てる奴
武器を持っていても相手に呑み込まれ負けてしまう奴
成長、進化言葉は違えど格を飛び越えてしまえる生物が唯一なのだ
戦闘能力が一切無いのに毒が効かない等していきなり自分の能力に気付く奴も居る
そして自分を1番知らない生物も人間なのだ
安全の中に居る事によって退化したとも言える
人間は太古より、人の他の生物より力を借りたり支配している
日本人なら誰もが知っている卑弥呼も占い師や霊媒師や今の科学者に近い者だったとも言われている
降雨の儀式が科学的根拠があってやっていた事を考えると当時の技術で最大限の降雨方法とも取れるオーバーテクノロジーなのだ
どうやってその方法を知り得たのかは謎になっているが
今俺達が関わっている超常の存在を知ればオーバーテクノロジーなのも納得出来てしまう。
俺達は、格上の存在の力の下賜を頂き
格上に勝ち得ていたのだ
まぁ、人間の不思議な部分はその時代、時代の節目に必要な能力を持った傑物が居る事か
紫霧はそういう人々の事をこう評していた
『生まれた時点で既に神格を得ている人間。あくまで潜在的な力は誰しもが持って生まれておるがあれらは最初から箍が外れているのよ。だから思考回路が最初から壊れていたりするからことわざにもあるでしょ?天才と馬鹿は紙一重ってね?』
顕現武器を持っている俺や雷光は武器はあくまでも超常の存在だが
それを扱う力は、俺達の能力らしい。
彼ら彼女らと関わっている間に、潜在的な能力が開拓されて表に吐出し始めるらしいのだ。
『タイガは卑屈だからね?どうせ自分が戦える理由は私や燐音のおかげでタイガは何もしてないとぐるぐる思考してるでしょ?』
流石だな。だてに生まれてからずっと周りをうろちょろしてただけあるな
「そういや、紫霧は俺が生まれた時から知ってるならババアが気付いてない筈無いんだけど?」
ババアとは俺の母親の事だ。
今、俺達が関わっている異界と呼ばれる存在に普通に入って普通に出て来るわ
悪霊を飼い慣らすわハチャメチャで傍迷惑な超霊媒体質のババアだ。
逆にアイツの方が俺にとっては紫霧より化け物に近い
『ん?最初から知っていたわよ?あの子は力が強過ぎてね自らの枷外しまくってるから私の力は必要ないでしょ?そもそもどこに数年前に焼失した旅館に泊まるわ10年前に倒産してとっくに無くなった赤提灯掲げるタクシーに乗る奴が居るのよ。そろそろ親がそもそも異常なのに気付きなさいよ』
うふふと笑う紫霧。
「あれは無いわな。そもそも何かおかしいって気付きそうだけどね」
『タイガもタイガでしょ?普通の刺青に意思が数年で宿る何て聴いた事無いわよ?』
「うーん…やっぱり死にかけた時に覚悟を決めて入れたからじゃないかな?」
俺はそんな事を言ったが、紫霧は首を振る
『あの親あってこの子ありって事よ全く』
ふぅ、とため息をつくと
すぅっと薄くなり消えて行った
どうしたんだろ?と思ったら既に公園近くまで戻って来ていた様だ
公園に入り、茂みをかき分け奥に進んで行くと
「うぎゃあぁぁぁー」
そんな悲鳴と共に人が俺の上を通過して行った
「あ、楠田さんだ。さて、どっちに吹き飛ばされたんだろうな?」
ポンコツっぽかったからダブルの可能性もあるけどな
そんな事を思いつつ拠点に戻ると火華と風華が鬼の形相でこちらを睨んでいた
流石!どちらも怒らせたか。
「ん?さっき人が飛んで行ったけど?2人が?」
俺は知らないフリしてあわよくば逃げようとしている
「ほんとに失礼なんだからタイガ聞いて!あのポンコツこう兄の所に居るの危険だとか言うからぶっ飛ばしてやったわ!」
ふーん。安全性はまぁ、普通だと思うけどね
「まぁ、女の子だからここは不衛生だからね。ホテルとか用意してたんじゃないの?」
俺は、出来れば面倒だから距離を取ってて欲しいので楠田を援護してみる
「タイガさんあの子達が用意したのはこちらにあるアイツ楠田の実家や親戚筋の所に1人ずつと言うのよ?有り得なくないですかね?私達を手篭めにしたいので是非と下心丸出しですよ?」
冷ややかな微笑みで青筋を額にピクピク浮かべて風華がそんな事を言う
落ち着いて話してる様に見えてマジでキレてるな流石!ポンコツ楠田
「あ!そういえばお菓子とジュース幾つか持ってきたけど食べる?」
俺は、流石に楠田と会話した後に自分だけお菓子を食べると言うのは申し訳ないので
色々お菓子を持ってきていた
2人が何が好きか分からなかったので
スナック菓子、和菓子、洋菓子色々持ってきた
目を輝かせ、火華が俺から袋と発泡スチロールの箱を受け取る
「わーありがとう!飲み物はあ!炭酸飲料あんじゃん!実家では禁止されてたから私これ!」
風華も紙コップを受け取り炭酸飲料を飲み始めた
まぁ、少しはポンコツのせいで上がった溜飲を落とす事が出来たかな?
「そういや、さっきえぐい鬼と出会ったよ。ありゃ勝てないね。今の俺の力じゃ」
そんな事を言うと、火華が驚いた様に目を見開く
「あんたが勝てない奴何て私達はどうやって対応したら良いのよ…」
「あら?火華?タイガさんはそんなにお強いの?」
風華とは意識を取り戻してから話はするが戦闘は一切見せてないからな
「攻撃特化のこう兄と比較するのは難しいけど、オールマイティタイプで言うとかなり強いと思うよ。そして術式を覚えたらもっと強くなると思う」
へぇ、と風華が怪しく笑みを浮かべていた
うわっ怖っと思ったが気付かないフリをした
「まぁ、俺の力と言うより燐音と紫霧のおかげだけどね。俺自身はまだまだ使いこなせてないからね」
俺は改めて、2人の力の凄さを実感しつつも
あの白という鬼とまた遭遇した時に備えて
まだまだ強くなりたいと思うのであった
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