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第1話

新作です!GWのお暇時間に楽しんで読んでもらえると嬉しいです。

「なんだよ!あのクソハゲふざけんじゃねぇよ」


俺は先程の会議で、事前に出していた意見を部長に全て取られ社長に褒められる部長を見て喫煙所で不満が爆発してしまっていた。


「おい、大牙まずいって誰が聴いてるかわかんないだから」



「先輩、でもあれは無いでしょ?俺と先輩が1晩考えて練りにねったアイディアで俺達がプロジェクトリーダーになる筈だったじゃないですか?それをあのハゲは…」


拳をギュッと握り締め、震える手を

先輩は肩に手を置き諌めてくれるが俺の中の怒りや不満を鎮める事は出来なかった。


「まぁまぁ、今日はもう少しであがりだし帰りは呑もうぜ!」


「おっ!良いですね!行きましょうよ!」


俺達2人は、定時あがりまでの残り2時間を飲み会への楽しみを活力にして

喫煙所から出て、仕事場へ戻るのであった。


デスクに戻ると、部長に俺は呼び出される。


「おい、衣袋これ計画書作っとけ。社長が褒めてくださった計画だ頼むぞ」


俺と先輩が作った発案書を机に放り投げるハゲ部長

こいつは、何を言っているのだろうか。

確かにこの発案書から計画・開発まで持って行けるのは俺か先輩だけだろう


しかし先程の会議は全社員からアイディアを出して貰い、新人だろうとベテランだろうと発案者がプロジェクトリーダーに大抜擢されるという。

やる気がある人や才能が埋もれない様に社長がこの会社の1大イベントにしている肝いり社策だ。


俺は、呆れて絶望して思った

社長はとても素晴らしく、俺達若手にもよく声を掛けてくれて会社見学した時にこんな大人になりたいなと思って憧れてこの会社に入ったが、下が腐り過ぎている


俺と先輩は我慢してきて、今までなら『了解です。すぐに書類まとめます』

そう今まで通り言えば、こいつが定年迎えるまで我慢すれば……あ、無理だわ絶対無理


心のダムが決壊した音が聴こえた

もう無理だった


「嫌です。って言うより部長がプロジェクトリーダーですよね?私は発案者では無いので計画書なんて作れませんよ?それはプロジェクトリーダーの最初の仕事ですよね?頑張ってください」


「は?発案者はお前らだろうが?何を言っているんだ?社長に迷惑をかける様な行為をするんじゃない!」


顔を真っ赤にしてハゲ上がった広い額のキャンパスに血管を浮かべ、ハゲが茹でダコになる

ちょっと吹きそうになった。


「なら、正直に部長が社長に発案者は、私ではありません、賞金の受領を辞退しますって言えば良いではないですか?今まで数回発案者のアイディア奪って不正に賞金横領しましたってね」


「貴様、いい加減にしろ。私に逆らえばどうなるか分かっているんだろうな?今すぐにクビにしてやる。貴様は今日付でクビださっさと出てけ明日給料日だ今日切っても何ら問題無いしな」


本当に腐ってるなこいつ

俺は、もう無理だった。実はコイツにアイディアを奪われたのはこれが初めてではない。


そもそも俺が3年前に入社してきた当時このハゲは課長補佐の冴えない奴だった。


最初は、俺と先輩も1年目と2年目の新人社員だったので何も言えなかった。

流石に3件も4件と奪われ、そしてプロジェクトリーダーになった社員には賞与が受け取れ、更にその功績によって昇進までしていると言う事実を知ったら我慢出来なかった。


「そうですか……では今までありがとうございました。おつかれっした」


俺は踵を返して部長室から出ていこうとすると


「は?いやいやお前そんなに簡単に辞めて良いのか?」

急に焦り出すハゲ部長、いやもう俺の心の中では辞めたからくそハゲ


「良いのか?お前独身寮に入ってたよな?3日以内に出て行かないと行けないんだぞ?本当に良いのか?」


んー?そんな規則あったっけ?

俺はそんな規則あったかな?契約書ももう捨てちまったし、辞める人間はすぐに出て行くからわからんなぁなんて軽い気持ちになっていた。


「まぁ、何とかなるでしょう。あ!残り2時間ですけど、半日有休消化しますわ。後は会社に来ないので有休消化しておいて下さい。では失礼します」


「……」

口をパクパクさせて居たハゲはもういいや。


それからは神速と言っていい程、トントン拍子に荷物を片付けて資料を先輩に押し付け机の中の筆記用具等は"次の人にあげます"と荷物を軽くして個人用の荷物は全て会社のゴミ捨て場に捨ててしまった。



独身寮に戻り、荷物をまとめ

ボストンバッグ1つにして他は全て捨てる事にした。


次に住む場所はすぐに決めるつもりであったが、引っ越すのに荷物を沢山持って行ったり、保管するのもめんどくさかったので

このバッグ1つにしたのだ。



夕方、俺の送別会を先輩達が開いてくれた

地元で上手くいかなくてどん底の気持ちを味わっていた俺を優しく出迎えてくれた会社だ。寂しくもあり、あのクソハゲから解放された嬉しさもある複雑な飲み会になった。


「皆さん今日はありがとうございました。今までありがとうございました。皆さんも健康とハゲタコに気を付けて活躍する事を願います!」


と締めくくりをして、俺達は解散した。


独身寮に戻り風呂に入って明日からの行動を決めながら眠るのであった。

お読み頂きありがとうございます!

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