詩集 楽の調べ 作者: しのぶ 掲載日:2020/04/24 楽(がく)の調べを楽しめば 肉の味をも忘るべし 現世(げんせ)の道を離れなば 長き夢より覚めるべし 調べを聴くは方内(ほうない)を 出(い)ずる道にはあらねども さらに高みを踏み行きて 天(あま)つしるしを見たいもの 月光を見るそのたびに 長き旅路(たびじ)を思いやり 業を絶やしてあとかたを 無くすることを思い見る さざ波立つは水の上 内なる水は波だたず さらに深みを踏み行きて 己の道の果てを見ん 水面(みなも)にうつる月を見て 元のかたちをあおぎ見て まつわる雲をはらいつつ 道の果てをも踏み行かん