表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Miraclas Dream Universe  作者: 星野優季
プロローグ –Do you want the second reality?–
6/8

プロローグ–二人の少女は憧れの人を追い掛けて I want to catch up with him–

 神奈川県、某所。

 住宅街の中の一軒家。

 そこに“彼女”は居た。

 ヘルメット型の機械を持ち、ベッドに座り、“ソレ”を眺める。

 神崎花鈴(カンザキカリン)

 それが、彼女の名前だった。

「はあ……今日、か……」

 今日は“彼”の言っていた“あのゲーム”を遊べる日なのだ。そして───────

「“アイツ”にアプローチできるチャンス…逃すわけには行かない……!例え、私の幸運値(リアルラック)使い果たしていようとも!」

 そう。

 彼女は、彼が好きなのである。

 彼のプレイするゲームに参加してまで、彼を追いかけるほどには。

「アイツみたいに、……あの時のアイツみたいに、かっこいい所見せてやるんだから!待ってなさいよ、“春樹”!!!」


 本人が知らぬ中、そんな“彼”を好く人間は、もう一人いる。


 東京都、江東区。

 ビルの立ち並ぶ中にあるマンションの中。

 “彼女”は、ゲーミングチェアに座り、父から誕生日にプレゼントされた───────何故娘にそんなものをプレゼントするのか甚だ疑問だが ───────執務机を思わせるデスクの上に置かれていたデスクトップパソコンの画面を見つめていた。そこに書かれていたのは───────


「『明晰夢の理論を応用し、ユーザーに快適な夢を提供します』、『脳を永続的なレム睡眠状態にし、現実と見紛うほどの仮想世界を体験いただけます』、か。「『幻想と魔法の世界を体験いただけます』『さあ、あなたも夢の世界へ!』なんてのもあるや」


 今回参加しようと思っていたVRMMOとそれに必要な端末のサイトであった。

 確かにこれは“彼”も惹かれるなと思い、ふたつ開かれていたブラウザのウィンドウを閉じる。


「なんの問題もなく端末も手に入ったし、準備準備、っと」


 “コレが欲しい”なんてお父さんの近くで言ってしまったが故に、その翌日にはもう既に彼の元にあって、それをプレゼントされたのには驚いた。

 ただ、『いつも仕事を手伝ってくれているんだ、このくらいはしてあげないとね』とか言ってくれたのは嬉しかった。


「さてと……」


 違う場所にいながらも、二人の少女は同じ動きをする。

 端末を頭に装着し、起動する。


「「さてと」」


 時間は、13:59。


「「始めますか」」


 歯車が、動き出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ