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僕と許嫁《かのじょ》の宇宙生活  作者: みさわみかさ
閉じられた宇宙船《ふね》
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15-7 蝕まれる家族

 マリーに何日も電話していない。最近、毎回のようにケンカになっている。どうせまたいさかいになるのだと思うとかける気になれない。

 ときどき、電話の背景に叔父さんと叔母さんの口争いが聞えてくるのもいい気がしなかった。あちらでも夫婦ゲンカが絶えないと彼女が言っていた。ますます気乗りしなくなる。

 話したいのなら向こうからかけてくるだろう。そう高をくくったけれど、彼女はかけてこなかった。


 毎晩、夢にうなされた。ただでさえ寝つきが悪くなっているのに、夢見の悪さでさらによく眠れない。昼間は寝不足でぼんやりしていることが多い。

 悪夢を見て夜中に目が覚めることも何度もある。びっしょりと汗をかいていて最初は驚いた。

 特に、先日見た、船が制御不能になる夢は最悪だった。ウラヌスが機能停止に陥って最終的にみんな死んでしまう。やけにリアルで、目が覚めたあとも、現実のことのように思えて気味が悪かった。


 あれ以来、船が本当に異常を起こしたらと不安になっている。事実、ハッチのトラブルが起きているし現実味のない話ではない。

 食事をしているとき、勉強をしているとき、ベッドで横になっているとき、さまざまな場面でふっと不安感が強まる。動悸がしたり息苦しく感じることもある。

 一度、あまりに呼吸が苦しくて、酸素供給に異常が起きているんじゃないかと、必死で父さんに訴えたことがあった。そのとき母さんから、それは過呼吸よ、と言われ対処方法を教わった。僕は自覚している以上の強いストレスを負っていたらしい。

 僕の症状に心を痛めながら、そしてストレス源のひとつと知りながらも、母さんたちは日々のケンカをやめてくれなかった。

 二度目の過呼吸を起こしたとき、もう限界だと思った。

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