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僕と許嫁《かのじょ》の宇宙生活  作者: みさわみかさ
閉じられた宇宙船《ふね》
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15-6 蝕まれる家族

 コクーンが使えなくなって三カ月が過ぎた。


 船は荒涼を極めていた。誰かが口を開くときは必ずネガティブな感情が吐き出される。不平、疲れ、いらだち、叱責、追及。

 物音も大きい。足音、食事、洗いもの、座る音、物を置く音。それらがまたよけいな衝突を生む。


 ある話によると、引きこもりと呼ばれる人々は、何年でも自宅で、ときには自室だけで過ごすことが可能らしい。僕たちにはとても無理だ。


 グミはほとんど勉強しなくなった。母さんが監視に来るとき以外は遊んでばかりいる。面倒で僕も注意するのをやめた。


 人のことはいえず、僕の勉強も捗っていなかった。常に陰鬱な気分で集中できない。することがほかにないからやってるだけだ。

 船のトラブルを解決するという当初の目的意識はもう失していた。たかだか十五歳の中学生にどこまでやれる。父さんの水準のエンジニアになるまで二十年はかかるだろう。そこまで到達して解決できるのかも怪しい。三カ月かかって父さんも叔父さんも成果はいっさいあげていない。


 父さんはあれから毎晩お酒を飲んでいる。母さんに手をあげたのはあのときだけだったけど、飲むたびに口論になっている。

 お酒というものをまったく知らなかったグミが、初めて父さんの酔っ払った姿を見たときのことだった。

 グミが母さんに知らせに行くと、母さんはお酒がどれほど醜悪なものかをこんこんと説き、当てつけるように父さんへの愚痴を聞かせていた。グミの辟易とした顔といったらなかった。

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