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僕と許嫁《かのじょ》の宇宙生活  作者: みさわみかさ
閉じられた宇宙船《ふね》
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13-7 クコの暴力

 長いこと腕を机の上で組み、顎を乗せてぼんやりとしていた。暗然としてなにも考えたくなかった。


 そのうち夕食を知らせる母さんの声が聞こえた。机上の時計をちらと見る。ああ、もうそんな時間かと僕は無感動に息を吐いた。

 食べに行く気はなかった。またこの間のように謝るはめになるのは不愉快だ。僕に非がないとはいわないけど、母さんたちの言動は腹にすえかねている。詫びる気にはなれなかった。

 何度か呼ぶ声がしたけど、僕は無視を決め込んだ。


「クコ。夕食よ」


 ドアの向こうで母さんの声がした。返事をせずにいると、開けるわよ、と入ってきた。


「もうご飯できてるわよ」感情を殺した声で母さんは告げた。

「いらない」僕は腕と顎を机に置いたまま、母さん同じ調子の声で短く答える。

「さっきのことで叱られるのが嫌だから?」


 僕は無言だった。叩きはしなかったのだからそもそも叱られるいわれはない。


「グミから話を聞いたわ。ぶってはいないけど乱暴はしたそうね。最初にちょっかいを出したのもあなたでしょう」

「勉強の邪魔をしたあいつが悪い」僕はふてくされた声でぼそりと言った。

「ほかにやりようがあるでしょう。自分の部屋があるんだからここでやるとか」


 そのことに抵抗感を持っているとは惨めったらしくて口にしたくなかった。


「母さんは、僕がグミを叩いたと決めつけた」

「今はあなたの問題について話しているのよ。はぐらかすのはやめなさい」

「はぐらかしているのは母さんのほうだっ」険しい口調になる母さんに、僕は椅子を回転させて振り返り、声を張った。「自分の間違いを棚にあげて」


「母さんにそんな口のききかたするんじゃありませんっ」「親だからっていばり散らして。過ちを認めないくせに」「あなたがそんなに反抗的な子だとは思わなかったわ」「僕だって母さんを見損なったよ」


 僕たちは強い言葉を互いにぶつけてにらみあった。射るような視線が交差する。

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