13-2 クコの暴力
自分の部屋で勉強すればいいとのグミの正論に、僕は言い返せない。それが悔しかった。
あの勝ち誇ったかのような素振り。生意気な言葉づかい。家族を、いや、この船団全体を思って励んでいる僕よりも、自分の遊びごとを優先する身勝手さ。
「やった! 倒したー!」
グミの歓声が耳に突き刺さった。うれしげに興奮して騒ぐ姿、声。不愉快極まりない。頭に血がのぼる。考えるより先に体が動いた。
大型モニター横のサイドボードに置かれている操作端末を手に取る。端末上のタッチパネルをすばやく操作した。ゲームの終了を確認する画面が表示される。僕は迷いなく決定ボタンを押した。
「あーっ!」
喜びの声が悲鳴に変わる。モニターはホーム画面に切り替わっていた。
グミが怒鳴り散らす。
「なにすんだよっ。やっとボスを倒したんだぞっ」
こうでもしなければこちらに顔を向けもしない奴にはちょうどいい薬だ。
僕は弟を無視してテーブルに向きなおった。
「ずっとセーブしてなかったのにっ。どこまでやりなおしになると思ってんだよ!」
「人の言うことを聞いていれば痛い目をみずに済んだのにな」
僕は冷たく突き放してやった。ゲームをやめろとまでは言わなかったんだ。静かにするようにとの妥協案を提示した。それを蹴ったからには相応の報いがあるということだ。
これでようやく静かに勉強できる。もっとも、グミがおとなしく引き下がればの話だが。
実際、思いどおりにはいかなかった。




