11-3 コクーン禁止令
「クコ、大丈夫?」
「えっ……? うん……」
母さんに呼ばれて僕は我に返った。グミをなだめながら心配そうに僕を見ている。
「――僕たちどうなるの? 直接の交流ができなくなって、コクーンの夢でさえも関われなくなって。この船団はどうなってしまうの?」
「無論、現状をよしとはしていない」父さんが手を組んで前のめりになった。「解決方法は探り続ける。全復旧を目指す。いつになるかはまったく見通しがたたないが」
その言葉にすがっていいものか僕は決めかねた。
コクーンの制限が永久的なものでないのは幸いだった。ハッチの問題同様、安全性が確保されれば解禁される。ただし、いつになるかは不明。明日かもしれないし一週間後かもしれない。一カ月後、あるいはもっと――
まるで、数歩先が見えない濃い霧のなかに放り込まれたような、ひどく不安な気持ちになる。
彼女に会いたい。会えないなら声だけでも――
僕はふらりと立ちあがった。
「マリーに電話する」
母さんたちは無言でうなずいた。
グミだけがだだをこねて騒いでいた。
向こうの船の電話は叔母さんが出ることが多い。予想どおり叔母さんの声が応じた。
「ちょっと待っててね。あの子、部屋にいるから」そう言ってマリーを呼びに行った。
めずらしいな。今の時間帯ならまだ自室にはいないのに。
彼女もコクーンの使用制限の話を聞いたんだろうか。叔母さんの声があまり明るくなかったし、当然、向こうでも話はあったんだろう。彼女はどんな気持ちになって、どんな反応を示したんだろうか。やっぱりショックを受けたんだろうか。僕と同じように。
彼女を待つのがひどくじれったかった。
やがて受話器を取る音がして応答があった。




