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9-7 もの憂げな翌朝

「あれっ、兄ちゃん帰って来れたの?」昼食を食べにコクーンから戻ってきたグミが僕を見て驚いた。「もう戻れないかもしれないって母さんたちが言ってたんだよ」


 昼食を並べる母さんが「帰って来てくれてよかったわ」と微笑んだ。心配させたことに改めて胸を痛める。たった一日なのに長く家を空けていたような気持ちにさせられた。


 久しぶりの感覚で僕は家族と食事をした。普段より多く会話した。みんなよく話し、笑った。ハッチの問題を父さんたちはあえて話題にしなかった。考えなしに触れたグミは、「そのことは母さんたちで考えるから今は口にしないの」とたしなめられた。


 母さんの料理を時間いっぱいまで味わっていたかったけど、僕は壁の時計を見てふと思いたった。食事の残りを急ぎ喉に流し込む。


「どうしたの。急にあわてて」母さんが困惑した。「ゆっくり食べればいいでしょう」

「マリーがもう来てるだろうから」僕は口元を拭い答えた。「いってきます」

「遅くならないうちに帰るのよ」


 母さんの指示に、うん、と背中で返事をして、コクーンのある部屋へ足早に向かった。彼女も昼食で家に帰ったときに、僕が自身の船へ戻ったと聞いたはずだ。僕のことを気にして早めに学校に戻っていることだろう。少しでも早く顔を見せて安心させたい。なにより僕も彼女の顔を見たかった。


 コクーン内に体を預けた。さあ、早く彼女の元へ。機器のいざないによって僕の意識は仮想世界にログインした。

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