8-4 懐かしのお泊まり
――それにしても。このまま船を行き来できなくなったらどうなるんだろう。僕はずっとこっちで暮らしていくのか。コクーンの夢のなかではグミたちに会えるけど、現実の船内で顔を見ることはできなくなる。すぐそばにいながら。
母さん、父さん、グミ。家族の顔を思い浮かべる。言いようのない寂しさが、僕の胸を、まるで大型の蛇が獲物をしとめるかのように締めつけた。
今の状況でも、将来、僕とマリーは結婚でき、子供を持つことができる。でもミリーとグミは別々の船だ。あの子たちは、結婚はできても子供は産めない。本来は、僕とマリーの子と、グミとミリーの子がいずれ結婚してまた子を産むことになっている。
何十という世代をかけて繰り返してきた営みの崩壊を、この事態は意味していた。たったふたつのハッチが開かないばかりに。
僕は今さらながら今の状況に身震いした。長く続いてきた船団が僕たちの世代で終わることになるなんて。
いや、ここまで続いたほうがむしろ奇跡だったのかもしれない。
物理的、システム的なトラブル、なによりも人と人が子孫を残し続ける上での複雑な問題を、こうも長く乗り越えてこられたことが異常だったんだ。実際、船は八機から二機になっている。遅かれ早かれこの船団は滅びる運命だったのかもしれない。終わりのときが来たのだと、今日告げられただけ――
暗澹とした思いが胸のなかで渦巻いて、僕は遅くまで寝つくことができなかった。
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