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7-7 おしゃまなミリー

 彼女は、壁の大型モニターに表示されているホーム画面から、ゲームモードを呼び出す。システム・ウラヌスの提供するゲームは種類豊富で、特に対戦ものは充実している。いずれもテクニックと戦略のぶつけあいに脳内物質が湧く。ただし歳の差のある者同士だと事情は変わる。


「もう。お姉ちゃんもクコも強すぎ」


 負けの込んでいたミリーがへそを曲げた。乱闘型のバトルものでミリーのフェアリーが場外に消えたところだ。妹の抗議に脇目も振らず、ステージ上に残った僕のナイトをマリーの機械兵が追い詰める。


「小学生相手なんだから少しは手加減してあげようよ」

「人生は厳しいのよ。弱肉強食よ」


 銃弾にレーザーにミサイルが雨あられと飛んでくる。とても交わしきれたものじゃない。非情な連続攻撃を食らってナイトは四散した。彼女の機械兵がモニターを華々しく飾った。


「よっし、三連勝。強い者が勝つ。あんたもこの域に達するには――あれ?」


 浮かれる彼女がしたり顔を見せようとした妹の姿はなかった。隣のダイニングからミリーの声が聞こえる。


「ねー、お母さん、お姉ちゃん叱ってよー」

「ケンカしないで仲よく遊びなさい」

「だってお姉ちゃんねー、全然勝たせてくれないのよー」


 台所仕事をする叔母さんにミリーが不満をたれていた。叔母さんはなだめるだけで割って入る気はなさそうだ。


「まったく。勝てないからってすぐ告げ口するんだから」やれやれと彼女は首を振った。


「君はほんとに容赦しないよな」

「手を抜いてもらって勝ったって意味がないじゃない。本物の勝利は実力同士のぶつかりあいによってのみえられるのよ」


 彼女は胸を張って力説した。なんかいいこと言ってるっぽいけど、やってることは大人げないと思うんだが。

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