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26-3 青い巨塔に待つ者
なにか聞き違えたのだろうか。どうもプライが脱ぐと言ったように聞こえたのだが。
隣のマリーも鳩が豆鉄砲を食ったような顔で固まっているところから空耳ではないらしい。
僕たちが唖然としていると、プライはブラウスの裾をつかみ本当に脱ぎはじめた。どきりと心臓が跳ねる。
「クコ、見ちゃだめっ」マリーが怒鳴った。「あんたもやめなさいっ」
たくし上げられたトップスの下に彼女のへそとブラジャーが見え、僕は反射的に目をつぶる。この子の言動は突飛すぎて脳の反応が追いつかない。
ブラジャーをつけた女の子の肌なんて初めて見てしまった。淡いレモン色と白の水玉模様が目に焼きついて離れない。鼓動が速まる。
「目、開けてください。見ないともっと脱ぎますから。次はスカートを脱ぐので」
見られるわけないだろっ。
頭が勝手に想像してしまう。プライがスカートを脱ぎ下着姿になるさま。しかも、なぜかその妄想はマリーに変わっていく。幼なじみのセミヌード……。
僕の馬鹿っ、こんなときになにを考えているんだっ。
頭をぶんぶん振っていると、どん、と鈍い音がした。




