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4-1 美しき怒れる四天王、ソフィア先生

 夢のなかで誰かの声を聞いていた。朝よ、早く起きるように、と言っている。何度も繰り返し、繰り返し。母さんだ。起きようとはするものの、手強い眠気がまとわりついて離してくれない。あと五分……五分だけ……。


「クコー、遅れるわよー」


 母さんのせっつく声に応じてぼんやり目を開く。朝。部屋は照明の放つ光で満たされていた。時間が来ると徐々に明るくなるように設定されている。母星の自然環境を再現しているらしい。人類はその環境に適応してスムーズに起床する。はずなんだけど、僕はその例に漏れているらしい。爽快な朝なんて迎えられたためしがない。僕はベッドから身を起こして大きく伸びをした。次いで大あくび。


「クコ、いい加減に起きなさい」


 母さんの大声が部屋の外から響く。そろそろ叱られそうな雰囲気だ。「もう起きたよ。今行く」と返事をして、眠い目をこすりながら着替えにかかった。


 ダイニングに行くと母さんがぷりぷり怒っていた。「まったく、あなたは毎朝毎朝」と、小言を言いながらパンとベーコンエッグをテーブルに並べている。父さんは船のメンテナンスへ、弟のグミはもう学校へそれぞれ行ったようだ。いつもだいたいこのパターンで、僕が一番遅く起きてくる。どうしてみんなさっと起きられるんだろう。


「早く食べないと遅刻よ」


 後ろにまとめたマルーンの髪でにらみをきかせるように、母さんはせかす。ふぁーい、とパンをくわえて返事をした。時計を見ると確かにまずい時間になっていた。大急ぎで朝食をとって、僕はいつもの部屋へ向かった。

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