第5話 勇者参上
俺が召喚された世界はバルゴ。今まで暮らしていた地球がある世界とは別の世界線にあるそうだ。ちなみに、転生ではなくて転移だった。だって、「勇者転移」って言うより「勇者転生」って言った方がかっこよくない?
しかし、見たところ今までいた地球とたいした違いは感じられないな。周りにある木々はまんま地球と同じっぽいし、周りにある草花もほぼほぼ地球と同じに見える。周りにある岩や石も地球と全く同じに見えるし、周りにある……。
そう、超美少女(俺イメージ)女神によって異世界に召喚された俺だが、場所が悪かった。
森だな。どう見ても森の中だ。うっそうと木々が茂る森の中、周りには自然以外何もない。
しかも夜。
はじめての異世界なんだから、もうちょっとチュートリアル的な場所にしてくれたって良いと思うんだがな。これじゃ人に会うまで何日かかるのか分かったもんじゃない。そもそも、街とかあるのかね。
やっぱ、あの女神ちょっと残念認定かもしれないな。
救いなのは、先程からしばらくうろうろしているんだが、周りに見える物がまんま地球と同じってこと。おかげで
「マジ? これどこ? 異世界? こんなひどい……異世界こわ~い!」
なんてことにはなっていない。あ、でも空はちょっと違うかな。
見覚えのある星座はひとつもない。なにより、月っぽい衛星? が大小2つ見える。
うん。やっぱりここは異世界だな。ちなみにバルゴという名前は召喚前に残念女神もとい、超美少女女神から教えてもらった。
「あなたが今から召喚される世界はバルゴと呼ばれる世界です。」by 超美少女(俺イメージ)女神
それにしても、なんだか申し訳なさそうにしてたよな。まぁ、間違ってやっちゃったんだから仕方がないのかもしれないな。
俺が細かいこと気にしない人間で良かったよ。ホント。
まぁ、グダグダ文句言っても仕方がないので取りあえず、人でも探して歩くとするか。
しかし、勇者として召喚されたは良いけどさ、こうも誰もいない森の中に召喚されちゃって誰か俺に気づくのかな。このまま、誰にも気づかれずに森の中で遭難して詰みなんてことにはならないだろうな。それこそ女神様の罪なんじゃね? なんて……
GYAOOOOOOOOOOOOON!!!!
なんだ? 今のは?
そういや異世界って言ったらやっぱ魔物だよな。オークとかゴブリンとかドラゴンとか?
森の中だし、そういった魔物たちが実はウヨウヨいて俺を食べようと虎視眈々と狙っていたりして……。
ちょっとマジ異世界怖くなってきたんですけど……。
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