第4話 女神の名は
「当然! 異世界でSクラスの勇者だな!!」
俺は、力強くそう宣言した。
いや、だってそうでしょ。日本男子たる者一度や二度は異世界召喚で勇者になるって妄想したでしょ? したよね。かく言う俺も妄想しまくったね。結構細部までこだわって……。勇者誕生! ってな感じでまずは王様に謁見してさ。めっちゃかわいい姫様がいたりしてさ、もちろんナイスバディーの美脚な姫でさ。一緒のパーティになったヒーラーがこれまた美少女でさ、この子は、ちょっと着やせするタイプの爆乳娘だったりして、そんで姫様と2人で俺を奪い合って……そこに……
「本当によろしいんですか?」
「……ん? なんか勧められない理由でもあるの?」
いかんいかん。妄想が過ぎたな。俺は涎を手でぬぐい女神を見る。
「そうではないのですが……、Sクラス勇者として召喚されるのは結構久しぶりといいますか……、勇者を選ぶ人はほとんどいないというか……」
「え~!? そうなの? 勇者めっちゃ良いと思うんだけどなぁ。」
「あなたがそれで良いのでしたら……」
なんだか女神様歯切れ悪いなぁ。
「Sクラスの勇者って言うくらいだから能力はかなりチートなんでしょ?」
「チート?」
「すっごい能力があるんでしょ? 色々!」
「はい。それはもう勇者ですので様々な能力に目覚めることができます。運も少しは関わりますが、かなり強くなりますよ。」
「うん。なら大丈夫!! 俺、そのSクラスの勇者とやらになるよ。で、いつ?」
「お望みなら今すぐにでも可能ですが。」
善は急げって言うしな。何より買い物をする時も、欲しいと思ったときが買い時って言うもんね。勇者になるって思ったときがなり時ってやつだ。
「OK! じゃぁ今からよろしく! 勇者転生お願いしまっす!」
こうして俺はSクラス勇者として異世界に転生することとなったのである。
「あ、ところで君名前は?」
「アストレアです。」
「じゃぁ。アストレアちゃんよろしく!!」
こうして俺は28年過ごした世界を後にして、Sクラス勇者として異世界に転生することとなったのである。
あれ?これさっき言ったな。
ご意見いただければ喜びます。
評価・ブックマークをどうぞよろしくお願いいたします。