第2話 女神様そりゃないよ
気づけばそこは何もない真っ白な空間だった。
ん? ここはどこだ? ……あれ? 俺何してんだったっけ?……
思考の焦点が合わないかのような、ぼうっとした頭で何が起こったのか把握しようと試みる。
たしか、会社から出たとこで銀色の……あ! そうだ! ゴン太先輩の芋ようかんを買いにヘブン・イレブンに行こうとして……
「……なさい。」
ん? 何か聞こえたな。
そう思って音がした方を振り向く。と、そこには超が付く美少女が立っていた。
誰だ? めっちゃんこかわいいんだが……人とは思えない程だな。
ん?……あれ?……これって……まさか。
そう、俺は気がついた。気がついてしまったのだ。これは噂に聞く展開ではないか! そう、例の! 天界での展開! 女神様による転生! きっとそうに違いない。天界入りできる素晴らしい人物はいないかと、天上から見ていた女神が、日頃から鍛錬に励み精進し続けてたスーパーナイスガイな俺に白羽の矢を立てたに違いない!
「ですよね!!」
「ごめんなさい……」
「……違うのか……。」
「違うんです!!」
「やっぱ違うのか!」
「そうじゃなくって! ……ごめんなさい……。間違えました。」
「ん? 間違えたって何が?」
「間違って事故起こしちゃいました。」
どうやら、今回事故を装って召喚しようとした人物がいたらしいのだが、間違って俺が巻き込まれてしまったようだ。
「……え、え~~~!!!!!」
じゃぁ。俺は死ぬ予定がないのに間違って死んじゃったってこと?
超美少女なのに~? ひょっとして残念認定?
女神様。そりゃないよぉ~。
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