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第10話 ベルナドッテ公爵

世界観をだしたくて単位を独自に設定しています。1ガル=約4kmです。

あとあまり使わないと思いますが設定だけしてみました。

1メトル=1m、1セチ=1cm、1マノ=1mm


「ベルナドッテ公爵。予言者からの報告です。」


「クレッグか。」

 ベルナドッテ公爵と呼ばれたその男は、意匠を凝らした椅子に身を沈めながら報告に耳を傾ける。


 ここは、ソリスの里から30ガルほど離れたベルナドッテ公爵が治める城塞都市アガルテ。

その居城の一室である。


 ベルナドッテ公爵は、ここベルグランデ王国において最も強大な軍事力を持つ大貴族である。

 恰幅が好く、威厳ある髭を貯えたその姿はいかにも貴族然としている。


「異世界より、Sクラス勇者が顕現したとのことです。」

 クレッグと呼ばれた臣下が言葉を続ける。


「そうか。予定より早いな。して、何処(いずこ)に?」


「は、それがレア・シルウィアの森とのことです。」


「ん? 彼の地には結界が張られているはず。そのような場所に召喚されるはずはなかろう?」

 訝しげな視線をクレッグに向ける。


「は! 確かにそうではありますが、予言者の報告によると確かなようではありますが……」


「う~む。」

 口元のひげを手で触りながら公爵は、暫し思案に沈む。


「気に入らんな。それが事実であれば、そのような場所に勇者を遊ばせておくこともあるまい。今すぐ使いの者を向かわせよ。」


「は、御意。」

 クレッグはそう答えると踵を返し、足早に公爵の意を伝えるべく退室しようと動き出す。


「折角の召喚勇者じゃ。使えぬのは詰まらんからな。」

 クレッグには聞こえないほどの声でそうつぶやいたベルナドッテ公爵は、狡猾な笑みを浮かべていた。



「イルミヤ。公爵は勇者の召喚を確かめるためにソリスの里へ使いを向かわせるとの仰せだ。

すぐに早馬の用意をして欲しい。」

 公爵からの指示を諜報部隊の部隊長であるイルミヤに伝える。


「承知いたしました。すぐに手配致します。それにしても召喚勇者が顕れるのも稀覯(きこう)の事であるのに、召喚されたのがレア・シルウィアの森とは。このようなこと、長き王国においても聞いたことありませんぞ。」


「公爵もそのことは気にしておられるようだ。Sクラスの勇者が顕現するなど100年に一度あるかないかであるからな。折角の機会は逃したくはないのであろう。」


 イルミヤは直ぐに早馬の準備に取りかからせる。

 城塞都市アガルテを早馬が発ったのはそれから一刻程後のことであった。


 ここアガルテからソリスの里まではおよそ30ガル。早馬で1日ほどの距離である。


「順調であれば2日もあればはっきりとするだろうな。」

 クレッグは、要塞城を駆け出す早馬を自室から見送りながら独りごちた。


※ 一刻=30分ほどです。

ご意見いただければ喜びます。評価・ブックマークをどうぞよろしくお願いいたします。

長期出張のためしばらく、1日1話ペースで投稿します。

これからもよろしくお願いします。

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