アダムとイヴのように
アダムとイブのように
知識と可能性
力と夢
閉ざされた楽園は
いつか窮屈になる
楽園の向こうの荒地が
魅力的に見え
人の心をざわつかせる
掟は枷になり
逃れることだけが
裏切ることだけが
嘘をつくことだけが
この単調な楽園から
逃れる鍵だと
人は安易に罠にかかる
欲望は艶やかな赤いリンゴのように
滑らかに脳を刺激する
柔らかに波うつ草原の
その向こうに広がる砂漠に
体の血は煮えたぎる
穏やかな昼の微睡みに
なぜか心は萎えていく
楽園はもはや遠い
夢か幻か
それとも手の届かないオアシスか
己が選んだ道に届く光は
夢の中の慰めと赦し
傷んだ心に汚点のように染み入る