スノードーム
深まる冬。今日も雪が降る。
大地と詩織は、寒さとは無縁でも色は無い空間に二人きり。
その空間は、よそ者を寄せ付けない。二人だけの空間である。
「今日も雪だね」
「こう、毎日降らなくてもいいのにな」
「仕方ないよ、冬なんだから」
「それを言われたら、どうしようも無いな」
「……桜、見たかったなあ」
「春になれば、見れるよ」
「遠いよ、春」
「……春が来たら起こしてやるよ」
「……うん。よろしくね」
「ねえ、大ちゃん?」
「ん?」
「今まで、ありがとうね」
「おう」
「本当に、……ありがとう」
「わかったよ」
「春になったら起こす約束、忘れないでね」
「おう」
「それじゃ、それまで、……おやすみ」
「……おう。良い夢、見ろよ」
深まる冬。毎日、毎日降る雪。変わらない景色。
今日も雪が降るスノードームの中で、大地は一人、春を待つ。
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