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第52話 到着した

「ですよねー。見ました? ラサキさんのちんこ。でっかいですよねー」

「コーマに言われてあたいも気配遮断して見たがや。あたいは初めて見るから基準がわからんがや。でも、大きく感じたがや」

「あのちんこは大きいんですよ。ラサキさんのちんこ」


 俺は、歩きながら振り返ってファルタリア達を睨む。


「おい、ファルタリア。その話はするなと言っただろ」

「ええぇ? 私とサリアさんだけで話をしているだけじゃないですかぁ。酷いですよぉー、私達は肉奴隷の仲でもあるのですからー」


 サリアの首輪を指差し見せつける。また面倒だな。


「あ、いや、ああ、何でも無い、好きにしなよ。ただ、人前では絶対にダメだぞ」


 公認になった事で、ファルタリアは飛び跳ねて喜んでいる。背負っているバトルアックスを落とすなよ。


「イヤッホー! 了解しました。サリアさんとコーマさんと私の間だけで盛り上がりまーす。エヘヘ」


 俺が恥ずかしいよ。


「盛り上がらなくていいからさ」


 嬉しそうな二人に、コーマが笑顔で振り返る。


「じゃ、その時は私も話に加わろうかな。ウフフ」


 おいおい、コーマまで入るなよ、勘弁してくれよ。何で俺の股間の事で盛り上げるのかな。

 何かを感じたコーマが、いたずらっ子の笑みで話してくる。


「安心して、ラサキ。ラサキがいない時に盛り上がるから。ウフフ」


 コーマも参加が決定した事で、ファルタリア達とサリアも手を上げて叩き合って喜んでいるし。


「では、公認となりましたので、ラサキさんのいない時は、でっかいちんこの話をして盛り上がりましょう。エヘヘ。あ、そうそう私、ラサキさんのちんこの歌を作ったので歌えますよ……今歌いますか?」


 歌うなよ、それは阻止するよ。


「それは禁止。二度と歌わない事。約束だよ」

「ううぅ、仕方がありません。とてもいい歌なので残念です」


 コーマが、また悪い笑顔になっている。


「私達の時だけはいいからね。ウフフ」


 ファルタリアの悲しい顔が、急に明るくなる。


「ですよねー、後で教えますね。エヘヘ、やったー」


 もういいよ、どうぞどうぞ勝手にしてください。三人がかりで言われて、参りました。女は強しだよ。

 ま、それで三人が、今まで以上に仲良くなるなら犠牲になりますよ。


「本当に人前では歌ったらダメだからな。三人だけの秘密にしておいてくれよ」

「大丈夫よ、ラサキ」

「了解です、ラサキさん。エヘヘ」

「問題ないがや。アハハー」


 こうして順調? に歩き、夕方にはシーガイの町を取り囲む、白く高い塀が見えて来た。土蔵の塀に何を塗っているのか知らないけど、海の青さと調和している。

 潮風も吹いて来て、海の町に来たな、と言う気分になったよ。

 シーガイの検問所も問題なく通れた。ただ、案の定門番が、サリアを見た後に俺を見る冷たい眼がとても痛く刺さった。

 今更ながら、もっといい方法があったんじゃないのか? そう考えながらも町に入ってしまったから、もう無理だね、はい、諦めましょう。

 シーガイの町に入ったら、日も暮れているので門番に教えてもらった宿屋街に来た。

 その場所には、白を基調とした色の、数軒の宿が立ち並んでどの宿も忙しそうだ。シーガイの町の宿は、どれもいい宿なのだろうね。

 どの宿にするか悩んでいたら、俺達に気づいた女の子がいた。サリアと同じくらいか、赤髪でつぶらな緑目の可愛い娘に呼び止められる。


「お兄さんたち、宿で悩んでいるなら、是非うちの宿にしてよ。お兄さん向けの“特別室”の四人ベッドの部屋も一部屋だけあるよ。ちょっと贅沢だけど、四人で入れいるお風呂付だよ。うちだけが持っていて、丁度空いているよ」


 はい、決まりました。風呂よりベッドが決め手でしょう。コーマはもう宿に入って行ったし、ファルタリア達も続いて入って行く。

 俺向けね――気にするのはよそう。

 部屋に案内されて見回す。うん、広くていい部屋だな。居間もあり。部屋には四人でも大き目のベッドがあった。

 こういう部屋は、やっぱり特殊なのかな。女の子がサリア達の首を見て話していたからな。今の俺の立ち位置は、どうなっているのだろうか。

 あまり気にすると、泣きたくなるから止めておこう。居間の奥に風呂があったので、真っ先に入った。

 体を洗い、お湯が湧き出る広い風呂に入る。


「フゥゥ、いい湯だな。疲労もとれるし、やっぱり風呂はいいなぁ」

「ウフフ、私も入る」


 コーマが堂々と入って来る体つきは、艶っぽくて綺麗だな。続いてファルタリアは、いいスタイルだよ。最後にサリアも、可愛いね。

 いやー、四人が余裕でお湯に浸かってもゆったりしているね。って、いや、そこは違うだろ。


「何で全員なんだよ。一人の方が、ゆっくり入れるだろ」


 浸かっていたファルタリアが立ち上がり、両手を腰に当てて仁王立ちで俺に向く。丸見えだよ、前隠せよ。


「ラサキさんと一緒に入れる時は、こういう時でないと中々無いでしょうから入ってきました」


 はい、もう何も言いません、みんなで入りましょう。ところで、サリアはいいのか? ダメじゃないのか? ツルン、ペタンだし、もう丸見えだけど。

 俺の視線とサリアの眼が合った。サリアまで、仁王立ちになるなよ。


「あ、あたいは、三五七歳がや。胸は栄養つけて大きくなってくるがや」


 はいはい、サリアもどうぞ、気にしません。楽しそうに泳ぎ始めているし。コーマは俺の横で温まっている。

 久しぶりに、モフりたいぞ、とファルタリアを見る。気が付いたファルタリアが、赤ら顔でお湯の中の尻尾を向けてくる。

 おー、金色の尻尾が、大きくなってお湯の中で漂っている。これはこれで癒されるよ、しっかり堪能しました。あー癒された。

 モフッていた俺を見て、サリアが不満げに立ち上がった


「私は、何も無いがや。ラサキ、私にも何か出来ないかや? む、胸揉むかや?」


 え? ここでそれを聞いて来るのか? 少女だしな、ツルン、ペタンだしなぁ。サリアは何もしなくてもいいんだけどさ。


「そのままでいいよ、そのうちコーマやファルタリアみたいになるんだろ。今は無理しないで自然体でいればいいよ。そのうち、必要とする何かが見つかるよ」


 納得がいかないサリアは、鼻までお湯に浸かり口から泡を出して、言葉にならない抗議をしていた。

 でも、少ししたら一緒に入る風呂は楽しいようで、コーマ、ファルタリアと談笑して笑顔が戻ったよ、フゥ、良かったな。

 これが明日から毎日続くのか。嫌いじゃないけど、たまには一人で入りたいな。それともう一つ問題がある。

 それは、俺の理性が効かなくなるんじゃないか? この世界に来て、まだ一度もして無いからな。今後はもっと、気を引き締めよう。

 風呂から出たら、旅行の疲れもたまっていたから、ベッドで四人仲良く就寝した。

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