「若さゆえの…」
「若さゆえの…」
スタートから20分経過し、シンゴ達一行は、順調にマップを進んでいる
「これはいけるんじゃないのか?」
シンゴはそう言うと、赤と黄のダイスを振る
「赤2黄3合計5、エンカウントです、敵はコボルト、戦闘開始です」
【GMミヨシ】が戦闘開始を告げると、【魔王(副長)】がダイスを振る
「ダイス目1、【魔王(副長)】の行動順は一番です」
その結果を聞いて、【魔王(副長)】はガッツポーズすると、もう一度ダイスを振る。
「ダイス目1、ナイトに12のダメージです」
【GMミヨシ】の攻撃結果を聞いて、タフがシンゴを見る
「今のは食らっちまったな、ロードはどうだ?」
タフにそう聞かれ、シンゴは答える
「まだまだ余裕だ、ただクレリックの回復量もみたいし、戦闘後にハッちゃんに回復してもらおう」
シンゴの返答を聞いた後、続いてミノがダイスを振る
「ダイス目1、コボルトに16のダメージ、コボルトを倒しました」
【GMミヨシ】が戦闘終了を告げると、シンゴが言う
「ミノ、前の戦闘でレベル3になってたが、腕力に2ポイント振ったんだな?」
シンゴにそう質問され、ミノはニコリと頷くと、
【GMミヨシ】は運命のダイスを振る
「ダイス目2、シーフは「清水」を手に入れました」
その結果を聞き、ミノは「ヨシッ」とガッツポーズする。
そして戦闘後の移動が終わると、シンゴはハッちゃんを見る
「さてハッちゃん、回復をよろしく」
シンゴがそう言うと、
無言でハッちゃんは、シンゴを見つめる、
・・・だが見つめ合ったまま、ハッちゃんは無言だ。
それを見て、ユキが異変に気付き、声をかける。
「ハッちゃん、大丈夫?」
ユキに声をかけられ、ハッちゃんはユキの方へゆっくりの向くと一言
「気持ち悪い…」
ハッちゃんはそう呟くと、同時に口を押さえる、
ユキとフクヤマが咄嗟に立ち上がり、大急ぎでハッちゃんをトイレに連れていく、
「一旦、実況を中断するぞ、部長」
【魔王(副長)】こと副長が急ぎ提案し、
シンゴが頷くと、副長は真剣な顔をする
「とりあえず、20分ほど中断する、それまでに、今後の行動を決めてくれ」
副長はそういうと席を立ち、実況画面を「しばらくお待ちください」に変更する、
タフは実況は中断してはいるが、コメントは流れ続けているのを確認した後、シンゴを見る、
「コメントがかなり荒れてるな、にしても部長、あの状態じゃ、ハッちゃんは復帰できるかどうか、わからんぜ?」
タフがそう言うと、シンゴは顎に手を当て考える
「うん、ハッちゃんと、付き添ってるユキが戻ってくるまでは、3人で進むしかないな」
シンゴがそう言うと、横でミノが呟く
「そういえば…、ハッちゃんは、まだ二十歳過ぎの学生さんだったな…、飲み始めたばかりで、自分の酒量がわからなかったんだろう…」
ミノの言葉を聞き、シンゴが暗い顔をして言う
「俺たち年長者が酒量をコントロールしてあげるべきだったな、ゲームに集中しすぎて、配慮を欠くとは情けない…」
そうシンゴは悔やむが、荒れる実況コメントを見て気を取り直す
「ともかくここは、ハッちゃんが責任を感じないよう、俺たち三人で無事攻略してやろうじゃないか?」
シンゴの提案を聞き、タフとミノは顔を見合わせ頷く、
「で、攻略するとして、まずは地図だな…」
タフはそう言って地図を見ると、
シンゴも地図を見る
「そうだな、えーとハッちゃんの地図はこれか…、え?」
シンゴは、ハッちゃんが作成していた地図を見つけ固まってしまう、
そしてタフとミノも、ハッちゃんの地図を見つけ固まる。
その地図には、「上に3・左に2・下に6」と、
ダンジョンに入ってから、二回目の移動までしか記されていない、
しばらく間をおいてから、ミノが呟く
「…俺たちここまで、10回位は、ダイスを振ってるはずだよな、てことは…」
三人はしばらく沈黙した後、シンゴが口を開く
「うむ、地図は殆ど白紙で、今どこにいるかもわからない、だが…、これくらいの事、切り抜けてやろうぜ!」
そう言ってシンゴはニヤリとすると、
タフとミノは、その自信はどこから来るんだと呆れつつ、苦笑いした。