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フェブラリーオブラウンド  作者: 超人テリー
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「いざ机上の世界へ」

           「いざ机上の世界へ」



 小休止が終わり、ゲームマスター(GM)のミヨシが説明を始める。


「地図について説明します、皆さんの使うPC画面に、20×20の方眼紙がありますが、その方眼紙に、自分が進んだ道を書き入れて、地図を作成してください。」


 その説明を聞いて、シンゴはミヨシを見る


「なるほど、地図も自分で作れってことですね?」


 シンゴにそう質問され、ミヨシは頷き説明を続ける


「今回挑んでいただくステージは、初心者用のダンジョンなので、タウンとダンジョンの出入口として、縦10横10の位置に黄色いマスがあります」


 その説明を聞き、ミノは顎に手を当てる


「普通のダンジョンであれば、入り口の表示もないってことか…」


 ミノがそう呟くと、ミヨシは答える


「はい、明日バレンタインデーに挑戦していただくステージでは、完全に白紙の地図でスタートしていただき、自分たちでマップを作成し、攻略する事になります」


 ミヨシがそう説明すると、


 副長が説明を代わる


「このTRPGは、この地図の作成が醍醐味なんだ、自分自身の手で地図を作り上げる…つまり…」


 副長の説明を聞いて、シンゴがニヤリと笑う


「つまり、世界を作り上げるってことか、なるほどな」


 シンゴがそう納得すると、


 シンゴはパーティメンバーを見て確認する

「じゃあ、みんなを代表して、俺が地図を書…」


 シンゴが言い終わる前に、ハッちゃんが元気よく手を上げる


「はい、地図は私に任せてください!」


 ハッちゃんの顔は既にピンク色に染まっており、


 シンゴは心配そうな顔で、ユキとハッちゃんを交互に見る


「え?、いっいや、ハッちゃん、ありがとう、でもだいぶ酔っぱらってるんじゃないの?、大丈夫?」


 シンゴにそう心配され、ハッちゃんは答える


「大丈夫です、地理は得意でしたし、こういう地図は私に任せてください」


 ハッちゃんがそう答えると、ユキも心配する


「ハッちゃん、ホントに大丈夫?、先輩に任せた方がいいんじゃない?」


 ユキがそう提案するが、ハッちゃんは首を横に振ると


「ホントに大丈夫!」


 とハッちゃんが返事すると、シンゴは苦笑いしつつ頷き


「じゃあ、ハッちゃんに地図を任せよう」


 シンゴはそう言ったあと、続けて副長に質問する


「地図を作るとして、進む方法はどうするんだ?」


 シンゴの質問され、副長はノートPCの横にある小箱を指差す


「ノートPCの横に、小箱があるだろ?、中を見てくれ」


 副長がそう言うと、


 シンゴ達はノートPC横の小箱を開ける、


 そこには赤・黄・青の三つのダイスが入っている


「ほう…、ダイスか」


 シンゴがそう呟くと、副長は説明を始める。


「赤は移動のダイスで、基本誰が降ってもいいが、代表者一人が赤いダイスを振って、出た目だけ進む」


 シンゴ達が頷くのを見て、副長は続ける


「ただ、赤のダイスを振るときに、黄色のダイスも振ってもらう」


 副長がそう言うと、シンゴが聞く


「で、この黄色のダイスは何だ?」


 シンゴがそう質問を続けると、


 ミヨシが副長に代わり答える


「それはエンカウントダイスで、黄色のダイスと赤のダイスを振って、その合計が、奇数なら敵と遭遇し、偶数なら敵と遭遇しない、というわけです」


 その説明を聞いて、シンゴ達は納得すると、


 副長が説明する


「そして青は攻撃時に振る、除算ダイスだ」


 副長がそう言うと、全員が頭をかしげる


「除算ダイス?」


 全員が声をそろえて言うと、副長はさらに説明する


「攻撃する際に、その除算ダイスを振って、自分の最大攻撃値を、出た目で割ったものが、敵に与えたダメージになる」


 副長がそう言うと、ミヨシも続けて説明する。


「最大攻撃値が30だとしたら、攻撃する際にその青い除算ダイスを振って、出た目が1なら30のダメージを与えて、6なら5のダメージを与える、といった感じです」


 シンゴ達はそこまで聞いて面倒くさそう顔をすると、


 それを見て、ミヨシは笑顔で続ける


「ただ、この攻撃値の計算はゲームマスターがしますので、皆さんは攻撃の際に、除算ダイスを振っていただくだけでいいです」


 ミヨシにそう言われ、部長たちはホッとする


「攻撃値まで計算するのかと思ってドキッとした」


 シンゴはそう言ってホッとすると、


 副長は真面目な顔をして、最後の説明をする


「最後に、仲間が死亡、または全滅した場合、ペナルティーがある」


 副長がそう言うと、シンゴ達も真剣な面持ちになる


「そのペナルティとは何だ?」


 シンゴが神妙な顔をして質問すると、副長は説明する


「キャラクター一人が死んだ場合、その時所持していたアイテムの中で一番レア度の高いアイテムを失い、さらにレベルが二つ下がる、

 そして死亡したキャラクターは、生存するキャラクターにタウンの「教会」で、生き返らせてもらわない限り、冒険に復帰できない」


 副長の説明を聞き、タフがあることに気付く


「ペナルティもそうだが、ダンジョン内では復帰させることはできないってことか…、ん?、生存したキャラクターに生き返らせてもらうって言ったよな、全滅したらどうなるんだ?、まさか…」


 タフがそう言うと、副長がタフを見て答える


「そのまさかだよタフ、生き返らせる人間がいない状態、つまり全滅した場合はゲームオーバーとなる、だから全滅だけは避けてくれよ?、実況動画も終了になってしまうからね」


 副長が苦笑いすると、タフもそれを聞いて苦笑いした、


 そして副長は時計を見て、あと数分で午後一時になることを確認する。


「では準備はいいかい?」


 副長にそう問われ、シンゴ達は頷くが、シンゴはある疑問が浮かぶ


『ん?、そういえば、副長の役割はなんだ?』


 午後1時になると同時に、ミヨシが宣言する。


「マップ開放、ゲームスタートです」


 動画配信がスタートし、【GMミヨシ】が語り始める


「ようこそ「はじまりの塔」へ、ここはひよっこ冒険者の登竜門です、塔に巣くうモンスターを退治し、タウンに平和を取り戻してください」


 そして、副長が自分の役割を告げる


「冒険者たちよ、私が君たちの敵、【魔王(副長)】だ、さぁゲームをはじめよう」


 それを聞いて唖然とするシンゴ達の横で、動画のコメントが流れ始めた。


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