「長い名前」
「長い名前」
料理も食べ終わり、副長が説明を再開する。
「ではみなさん、説明を続けます、次は行動順に、皆さんの選んだ職業の説明をします」
副長がそう言うと、全員が声をそろえて質問する
「行動順?」
それを聞いて、副長は答える
「ああ、戦闘時の行動順の事だよ」
副長はそう答えて、ミノを見る
「ミノはえーと、職業は「シーフ」で、キャラクター名は「ミノ」で良かったね?」
ミノは頷くと、それを見て副長は続ける
「シーフ(盗賊)の行動順は一番、HPは150でペイロードは100、あとステータスは腕力6・体力4・知力4・運6、スキルポイントは6だ、まぁその辺はPCにも表示されてると思うけど」
シンゴ達が自分のステータスをPCで見ると、
副長は説明を続ける
「このゲームは各職業、戦闘回数に応じてレベルが上がり、シーフは3回戦闘するごとにレベルが上がる」
副長がそう言うと、ミノが質問する
「レベルが上がるとどうなるんだ?」
質問を聞いて、副長はミノを見て答える
「レベルが上がると、腕力・体力・知力・運のどれか一つを1増やせる、またスキルポイントも1増える」
副長の返答を聞いて、ミノはさらに質問する
「HPは増えないのか?」
ミノの質問に、副長は首を横に振って答える
「HPは固定だ、あとペイロードも固定だ」
副長の返答を聞いて、続いてシンゴが質問する
「で、そのペイロードってのは?」
シンゴの質問に、副長に変わって、
ゲームマスター(GM)を務めるミヨシが説明する
「ペイロードとは総重量の事です、アイテムには重量があり、手に入れたアイテムの総重量が、ペイロードの数値を超えて所持できないということです、回復ポーションの重量が5ですので、ペイロードが100のシーフは、武器や防具を装備してない状態で、回復ポーションを20個まで持てます」
ミヨシの返答を聞き、シンゴは納得する
「まぁ、無限にアイテムを持ち歩けるわけじゃないってことなんだろうな…」
シンゴが頷きながら言うと、副長が説明を続ける
「次にタフは、キャラクター名は「タフ」で、職業はナイト(騎士)、行動順は二番、HPは220でペイロードは170、ステータスは腕力8・体力7・知力2・運3、スキルポイントは5、レベルアップに必要な戦闘回数は4回だ」
副長がナイトの説明をすると、シンゴがクスリと笑う
「知力2か、もう1でもよかったんじゃないのか?、ククク」
タフはそれを聞いて、「なんだと!」とシンゴに掴み掛ろうとするが、
ミノがなんとかタフをなだめる、
副長はそのやり取りを見て呆れつつ話を続ける
「で、部長はキャラクター名が「ジークフリード・アーサー・フォン・・・」、長過ぎるから「部長」でいいか?」
副長にそう提案され、シンゴは副長に懇願する
「頼むよ副長、全部とは言わないから、せめてジークフリードで登録してくれよ、その名前は俺が好きなアニメの主人公の名前なんだ」
副長はシンゴに泣きつかれ、困った顔をすると、
見かねて、ユキが提案する
「副長さん、登録だけならジークフリード…ナントカでもいいと思います、どうせみんな「部長」って呼ぶだろうし、私も先輩って呼ぶと思いますし…」
ユキの提案を聞き、副長は苦笑いしシンゴに返答する
「全くしょうがないなぁ…、とりあえでジークフリード…で登録するよ、ただし、実況を見てる人が混乱しないよう、名前の終わりに(部長)と入れさせてもらうが、いいね?」
副長の返答を聞き、シンゴは笑顔でうんうんと頷くと、
副長は話を続ける
「で、部長の職業はロード(君主)、行動順は三番、HPは170でペイロードは120、あとステータスは腕力4・体力4・知力4・運8、スキルポイントは4、レベルアップに必要な戦闘回数は5回だ」
副長がロードの説明をすると、今度はタフが笑う
「運以外平凡とは、部長らしいな、ウハハハ」
シンゴがそれを聞いて憤慨し、タフに掴み掛る、
それを見てミノだけでなく、副長も止めに入る、
そんなやり取りを見て、ミヨシが副長に代わり説明を始める
「えーと気を取り直して、サイキさんは、キャラクター名が「ハッちゃん」で、職業はクレリック(僧侶)、行動順は四番です、あとHPは130でペイロードは80、あとステータスは腕力4・体力3・知力7・運6、スキルポイントは8で、レベルアップに必要な戦闘回数は4回です」
クレリックの説明を聞き、ハッちゃんは、「ハイ」と返事すると、
そのまま新たな酒を注文する、
ミヨシはさらに続ける
「ユキエさんは、キャラクター名が「ユキ」で、職業はウィザード(魔法使い)、行動順は五番です、で、HPは110でペイロードは60、あとステータスは腕力2・体力2・知力9・運7、スキルポイントは10で、レベルアップに必要な戦闘回数は、一番多い6回です」
ウィザードの説明を聞いて、ユキは頷くと、横のハッちゃんを心配する
「ハッちゃん飲みすぎじゃない大丈夫?」
ハッちゃんはフワフワと答える
「大丈夫だよユキちゃん、私お酒強いのかも…」
そんなハッちゃんを見て、一瞬ユキは怪訝に思ったが、
小競り合いをしていたシンゴとタフをなだめ終わり、
副長が再度説明を始めた為、ユキは説明を聞くことに集中する
「次に、各ステータスの説明だが、
・腕力を上げると、攻撃力が上昇
・体力を上げると、回復量が上昇
・知力は攻撃魔法や回復魔法の効果が上昇
・運は攻撃魔法や回復魔法の効果が上昇、あとアイテム使用時の効果も上昇する
まぁ、どのステータスを上げるかは、実際にプレイながら決めてくれ」
そう言った後、副長は厳しい顔をする
「あと、一度ステータスを上げたら戻せない」
副長の言葉を聞き、シンゴは質問する。
「どういうことだ?」
シンゴの質問に、副長は答える
「一度上昇させたステータスは、後で気に入らなくなっても、上げ直すことはできないってことさ、…だから後悔しないよう、考えてステータスを上げていってくれ」
全員ごくりと唾を飲み込んで頷く、
さらに副長は続ける
「あと、ユキさんが確認してたアイテム枠の横に、装備欄があるが、武器や防具を手に入れたら、そこに入力し装備してくれ、どんなRPGでも装備しなければ意味が無いからね、後は…」
副長はそこまで説明すると、書類を見ながら次の説明を考える
そんな副長を見て、ミヨシがニコリと笑い、提案する
「一旦、小休止にしましょう」
ミヨシの提案を聞いて、全員笑顔で頷き、新たな飲み物を注文した。