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フェブラリーオブラウンド  作者: 超人テリー
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「円卓の間」

         「円卓の間」



 2月13日 土曜日



 午前11時、カエデ亭が一階に入っている雑居ビルの二階、


 副長の趣味スペースに、

 

 シンゴ・ユキ・タフ・ミノ・ハッちゃんの五人は到着し、部屋を見回す。


 その部屋には、パソコンが数台置かれた大きな円卓があり、


 天井にはその円卓を見下ろすようにカメラが設置され、


 壁には円卓上の画像が表示されたディスプレイがかけてある。


 その室内で、忙しそうに副長と女性二人が、機材のチェックをしている。


「なるほどこれなら、自分の手が映るくらいだな」


 シンゴがそういうと、副長がパソコンの調整をしながら答える


「うん、円卓に寝っ転がらない限り、顔は映らないよ」


 副長が返答した後、


 女性二人が、シンゴ達に自己紹介する


「こんにちは、本日ゲームマスター【GM】をさせていただきます、ミヨシ アキといいます、よろしくお願いします」


 彼女は「ミヨシ アキ」といい、


 副長がゲーム実況を配信する際、


 アシスタントとして一緒に出演することが多く、


 TRPGもそうだがゲーム全般に詳しい女性で、かなりの美女だ。

 

 そしてもう一人も続けて自己紹介する


「皆さんの飲み物や料理の注文受付をさせていただきます、フクヤマ ミナミと言います、よろしくお願いします」


 そう言って、ニコッと笑う彼女は「フクヤマ ミナミ」といい、


 カエデ亭の高校生アルバイトで、今日は副長に頼まれて来ている。


「えーとミヨシさんだっけ、そのゲームマスターって、なに?」


 ミノに質問され、ミヨシは答える


「はい、ゲームの進行を任された、なんといいますか…」


 副長が機材をチェックしながら、代わりに答える。


「まぁ、ゲーム内の神様みたいなもんだな」


 副長がそう返答すると、ミノは納得する、


 続いてハッちゃんが質問する


「あっあの、飲み物はフクヤマさんに注文すればいいんですよね?」


 ハッちゃんがそう言うと、ユキがハッちゃんに指摘する


「ハッちゃんはゲームより、お酒が飲みたいんでしょ?」


 ハッちゃんは図星を突かれ、恥ずかしそうにすると、


 それを聞いた副長が、機材のチェックを終え、笑いながら言う


「アハハ、じゃあ、チェックも済みましたし、食事を注文してください、で、食事が来るまで、すこしゲームの説明をしましょう」


 副長はそう言うと、全員に着席するよう促す、


 全員が席に座ると、フクヤマが全員の注文を聞いて、カエデ亭へ向かった。


「さて、みんなの席にあるノートPCを見てほしい」


 副長に言われ、全員PC画面を見る、


 画面には昨日決めたキャラクターの名前と職業、


 そしてステータスやスキルなどが表示されている。


 PC画面を見ながら、シンゴが質問する


「これが俺たちのキャラクターで、成長していくわけか?」


 シンゴがそう言うと、副長が頷く


「うん、そういうことだ、ただし、そのPCに表示されている、ステータスやスキルなどは、今後自分で管理するんだ」


 全員が同時に聞く


「管理する?」


 副長は頷いて説明する


「うん、レベルアップして、どのステータスを上げたとか、スキルポイントをどれだけ消費したとか、どんなアイテムを持っているかとか、

 【GM】側で正確に把握してはいるが、それはプレイヤーには見れない、だから、自分のことは自分で管理するんだ」


 その説明を聞き、タフが質問する


「その【GM】が把握してる情報と、自分が把握してる情報に、相違があったらどうなるんだ?」


 タフがそう言うと、副長が答える


「当然、相違があった時点で、【GM】側の情報を優先する」


 副長がそう返答すると、【GM】を務めるミヨシが代わって説明する


「HP、スキルポイント・所持アイテム等が、【GM】が管理する情報と、みなさんが管理する情報で相違があった場合、その時点で【GM】の情報が優先されるということです」


 その説明を聞いて、タフが弱った顔をする


「じゃあ、いざ戦闘って時にHPやスキルポイントが無いとかで、ピンチに陥らないように、自分でちゃんと書き加えていかなきゃならんのか、細かいの苦手なんだけどなぁ」


 そう言うタフを見て、副長は言う


「何を言ってるんだタフ、昔は全て手書きだったんだぞ?、PCになった分だけマシさ」


 それを聞いてタフは驚くと、続いてユキが質問する


「それで、HPとかスキルポイントは、PC画面のステータス欄に、自分で打ち込めばいいんですね?」


 ユキがそう言うと、副長はニコリ笑う


「そうですユキさん、あとアイテムも手に入れたら…」


 副長が返答する途中で、ユキが気付く


「あっ、ステータスの横にある枠をクリックすると、アイテムを選べるんですね、数も打ち込めるようになってるし、管理自体は言うほど難しくないかも…」


 ユキが理解して呟くと、それを見て副長は感心する


「ユキさん、呑み込みが早そうだね、何かやってたの?」


 副長がそう質問すると、ユキは謙遜し答える


「いえいえ、報告書とかに、商品の数量を打ち込むのに慣れてるだけだと思います」

 

 ユキがそう返答すると、副長は納得する、


 そこへ、フクヤマがカエデ亭の店主イシグロと一緒に、


 飲み物や料理を持って部屋に戻ってきた。


「飲み物や料理はいつでも、フクヤマさんに言ってください」


 副長がそういうと、店主イシグロがニヤニヤしながら言う


「いっぱい注文してくださいね」


 イシグロはそう言って副長にウインクすると、


 代金を支払う副長は苦笑いする。


「じゃあ、とりあえず食事にしましょう」


 副長がそう言うと、シンゴ達は昼食を取ることにした。


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