「託されし報酬」
「託されし報酬」
【GMミヨシ】が一つ咳払いすると今回の冒険をまとめる為、 救出作戦成功を喜ぶシンゴ達に席へ着くように促す
「では皆様、救出作戦の成功おめでとうございます、
19時終了時点で生存者は、クレリックのハッちゃん、ウィザードのユキさん、サモナーのミユ(副長)さん、
他の皆様は死亡ペナルティとして、レベル2ダウンと所持品で一番価値が高いものをロストしてもらいます」
それを聞いて、シンゴ・タフ・ミノは、アイテムを渡す、
シンゴとタフはタウンの店売りで買った星2の防具、
ミノは星4の影縫いの弓のスターカードを【GMミヨシ】に渡す
「すまない、みんな」
副長がそう言うと、ミノが答える
「いや気にしないでくれ副長、優秀なプレイヤーが仲間に加わったんだ、ユキさんが考えたパーティ資金もあるし、収支は黒だよ、なぁ部長にタフ」
ミノに話を振られると、タフは頷き
「言えてるな」
と同意すると、シンゴも同意し続ける
「まぁそう言うことだ、気にするなよ副長」
シンゴがそう言うと、副長はそれを聞いて笑う、
【GMミヨシ】は続ける
「今回の冒険で、フロアボスのイフリートを倒したことで、スターカードを一枚引けますが、どなたが引きますか?」
シンゴがミノに引くように促す
「ミノ引きなよ、影縫いの弓が出るかもしれんぞ」
ミノは首を横に振って断る
「いや、順番通り今回はタフが引いてくれよ、それに影縫いの弓は部長が出したんだぜ、別の人が引いてくれた方がいいよ」
ミノがそう言うと、シンゴは思いだし頭を掻く
「ああ、そうだったな、じゃあタフ引いてくれ」
シンゴにカードを引くよう促され、タフは頷くとスターカードを引く
【星4、サファイアリング・全職装備可能[スキルポイントの消費を1減らします・スキルポイント消費が1のスキルには適用されません]】
「すまんな、ミノ…」
タフが申し訳なさそうに言うと、ミノはニコリと笑い
「別に気にしてないよ、で、このアイテムの効果を考えると、誰が使うのがいいのかな…」
そう言ってミノは顎に手を当て考える、
タフが思いつき、副長を見て言う
「スキルポイントの消費が激しい、サモナーの副長が使うのはどうかな?」
タフがカードを渡そうとすると、副長は断る
「タフ、確かにサモナーは、スキルポイントの消費が激しい職業だけど、1減ったところであまり効果はないと思うんだよね…」
副長がそう答えて苦笑いすると、タフは悩む、
「うーんじゃあ、誰に渡そうかな…」
そう言って考え込むタフを見て、ハッちゃんが言う
「あの、もしかしたら私が貰うのがいいんじゃないでしょうか?」
ハッちゃんがそう言うと、副長はハッちゃんを見て
「さすがハッちゃん、よくお分かりですね」
と感心すると、ハッちゃんはニコリと笑う
「はい、一回の魔法でスキルポイントを大量に消費する、サモナーやウィザードが装備するより、
使用回数の多い回復魔法を使う、クレリックが装備した方が効果が高いと思うんです」
ハッちゃんがそう説明すると、一同納得し、タフが全員を見て
「そうだね、クレリックが装備するのが一番効果が高いな、じゃあハッちゃんに渡してもいいかい?」
タフがそう言うと全員が同意し、ハッちゃんに、「サファイアリング」のスターカードを渡す
「ありがとうございます」
ハッちゃんがお礼を言ってカードを見つめる、そして【GMミヨシ】が実況動画の終了を告げる
「では、この度の冒険は…」
そこまで聞いて、ユキがコメントを見て【GMミヨシ】を止める
「待ってください【GM】さん…、実況のコメントを見てください」
ユキがコメント画面を指差すと、シンゴ達はコメントを見る
【我々の「思い】を救い出してくれてありがとう、
その「思い」を「ミユ」に託してある、
今後の冒険で我々の「思い」と共に役立ててほしい、
では良き冒険を…・発「獅子の泉」先輩一同】
「ほう、「思い」を託してある…、これはなんだ副長?」
シンゴにそう質問され、副長は苦笑いする
「すっかり忘れてたよ、「地下大空洞・深層」で倒れた「獅子の泉」の先輩から、私が預かっていたアイテムの事だよ、
えーと、まずは既に使ってもらったんだが、これだ…」
副長はそう言って、ハッちゃんから「ひょっとこ面」のスターカードを受け取ると、そのままタフに渡す
「これが「思い」かよ!」
ショックのあまり叫ぶタフを見て、
ハッちゃんがフォローする
「まぁまぁタフさん、役に立つんだからいいじゃないですか」
そう言ってハッちゃんがニコリと笑うと、タフは苦笑いする、
そして副長は続ける
「そして、もう一つこれだ」
そう言ってスターカードをミノに渡す
【大星(星5)・獅子王の弓、シーフ系武器・攻撃40・重量30[ダイスの目が偶数の時、ツインアローが発動します]】
「これは…すごいというか、強すぎるんじゃないのか」
ミノが驚いて言うと、副長は頭を掻く
「それはな、かなり昔に「獅子王の進撃」ていう、TRPGのプレイブックがあって、それに付属されたスターカードなんだ、
だが、その武器があまりに強力だったため、発売してすぐにプレイブック自体が回収されたんだけど…、それでもある程度は出回ったんだ、
そして、そのプレイブックを手に入れた、「獅子の泉」は伝統として、その「獅子王の弓」を継承してたんだよ」
副長がそう説明すると、シンゴはある疑問が浮かぶ
「なるほど継承し続けた弓、それが「思い」ってことか・・・、
しかし回収されたって言ってたが、使っても大丈夫なのか?」
シンゴが訝し気に聞くと、副長は頭を掻きながら答える
「ああ、出回った事実があるし、それに、大会でも使われてるしね、公認だよ」
副長がそう答え、シンゴは納得すると、タフが恨めしそうにミノを見て
「いいよなぁミノ、俺んて「ひょっとこ面」だぞ」
タフにそう言われ、ミノは苦笑いする、
そして【GMミヨシ】が改めて告げる
「では改めて、今回の冒険は終了とします、ご視聴ありがとうございました」
こうして二日間にわたる冒険は終了した。




