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フェブラリーオブラウンド  作者: 超人テリー
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「託されし報酬」

               「託されし報酬」



 【GMミヨシ】が一つ咳払いすると今回の冒険をまとめる為、 救出作戦成功を喜ぶシンゴ達に席へ着くように促す


「では皆様、救出作戦の成功おめでとうございます、

 19時終了時点で生存者は、クレリックのハッちゃん、ウィザードのユキさん、サモナーのミユ(副長)さん、

 他の皆様は死亡ペナルティとして、レベル2ダウンと所持品で一番価値が高いものをロストしてもらいます」

 

 それを聞いて、シンゴ・タフ・ミノは、アイテムを渡す、


 シンゴとタフはタウンの店売りで買った星2の防具、


 ミノは星4の影縫いの弓のスターカードを【GMミヨシ】に渡す


「すまない、みんな」


 副長がそう言うと、ミノが答える


「いや気にしないでくれ副長、優秀なプレイヤーが仲間に加わったんだ、ユキさんが考えたパーティ資金もあるし、収支は黒だよ、なぁ部長にタフ」

 

 ミノに話を振られると、タフは頷き


「言えてるな」


 と同意すると、シンゴも同意し続ける


「まぁそう言うことだ、気にするなよ副長」


 シンゴがそう言うと、副長はそれを聞いて笑う、


 【GMミヨシ】は続ける


「今回の冒険で、フロアボスのイフリートを倒したことで、スターカードを一枚引けますが、どなたが引きますか?」

 

 シンゴがミノに引くように促す


「ミノ引きなよ、影縫いの弓が出るかもしれんぞ」


 ミノは首を横に振って断る


「いや、順番通り今回はタフが引いてくれよ、それに影縫いの弓は部長が出したんだぜ、別の人が引いてくれた方がいいよ」


 ミノがそう言うと、シンゴは思いだし頭を掻く


「ああ、そうだったな、じゃあタフ引いてくれ」


 シンゴにカードを引くよう促され、タフは頷くとスターカードを引く


【星4、サファイアリング・全職装備可能[スキルポイントの消費を1減らします・スキルポイント消費が1のスキルには適用されません]】


「すまんな、ミノ…」


 タフが申し訳なさそうに言うと、ミノはニコリと笑い


「別に気にしてないよ、で、このアイテムの効果を考えると、誰が使うのがいいのかな…」


 そう言ってミノは顎に手を当て考える、


 タフが思いつき、副長を見て言う


「スキルポイントの消費が激しい、サモナーの副長が使うのはどうかな?」

 

 タフがカードを渡そうとすると、副長は断る


「タフ、確かにサモナーは、スキルポイントの消費が激しい職業だけど、1減ったところであまり効果はないと思うんだよね…」


 副長がそう答えて苦笑いすると、タフは悩む、


「うーんじゃあ、誰に渡そうかな…」


 そう言って考え込むタフを見て、ハッちゃんが言う


「あの、もしかしたら私が貰うのがいいんじゃないでしょうか?」


 ハッちゃんがそう言うと、副長はハッちゃんを見て


「さすがハッちゃん、よくお分かりですね」


 と感心すると、ハッちゃんはニコリと笑う


「はい、一回の魔法でスキルポイントを大量に消費する、サモナーやウィザードが装備するより、

 使用回数の多い回復魔法を使う、クレリックが装備した方が効果が高いと思うんです」

 

 ハッちゃんがそう説明すると、一同納得し、タフが全員を見て


「そうだね、クレリックが装備するのが一番効果が高いな、じゃあハッちゃんに渡してもいいかい?」


 タフがそう言うと全員が同意し、ハッちゃんに、「サファイアリング」のスターカードを渡す


「ありがとうございます」


 ハッちゃんがお礼を言ってカードを見つめる、そして【GMミヨシ】が実況動画の終了を告げる


「では、この度の冒険は…」


 そこまで聞いて、ユキがコメントを見て【GMミヨシ】を止める


「待ってください【GM】さん…、実況のコメントを見てください」


 ユキがコメント画面を指差すと、シンゴ達はコメントを見る


【我々の「思い】を救い出してくれてありがとう、

 その「思い」を「ミユ」に託してある、

 今後の冒険で我々の「思い」と共に役立ててほしい、

 では良き冒険を…・発「獅子の泉」先輩一同】


「ほう、「思い」を託してある…、これはなんだ副長?」


 シンゴにそう質問され、副長は苦笑いする


「すっかり忘れてたよ、「地下大空洞・深層」で倒れた「獅子の泉」の先輩から、私が預かっていたアイテムの事だよ、

 えーと、まずは既に使ってもらったんだが、これだ…」


 副長はそう言って、ハッちゃんから「ひょっとこ面」のスターカードを受け取ると、そのままタフに渡す


「これが「思い」かよ!」


 ショックのあまり叫ぶタフを見て、


 ハッちゃんがフォローする


「まぁまぁタフさん、役に立つんだからいいじゃないですか」


 そう言ってハッちゃんがニコリと笑うと、タフは苦笑いする、


 そして副長は続ける


「そして、もう一つこれだ」


 そう言ってスターカードをミノに渡す


【大星(星5)・獅子王の弓、シーフ系武器・攻撃40・重量30[ダイスの目が偶数の時、ツインアローが発動します]】


「これは…すごいというか、強すぎるんじゃないのか」


 ミノが驚いて言うと、副長は頭を掻く


「それはな、かなり昔に「獅子王の進撃」ていう、TRPGのプレイブックがあって、それに付属されたスターカードなんだ、

 だが、その武器があまりに強力だったため、発売してすぐにプレイブック自体が回収されたんだけど…、それでもある程度は出回ったんだ、

 そして、そのプレイブックを手に入れた、「獅子の泉」は伝統として、その「獅子王の弓」を継承してたんだよ」

 

 副長がそう説明すると、シンゴはある疑問が浮かぶ


「なるほど継承し続けた弓、それが「思い」ってことか・・・、

 しかし回収されたって言ってたが、使っても大丈夫なのか?」


 シンゴが訝し気に聞くと、副長は頭を掻きながら答える


「ああ、出回った事実があるし、それに、大会でも使われてるしね、公認だよ」

 

副長がそう答え、シンゴは納得すると、タフが恨めしそうにミノを見て


「いいよなぁミノ、俺んて「ひょっとこ面」だぞ」


 タフにそう言われ、ミノは苦笑いする、


 そして【GMミヨシ】が改めて告げる


「では改めて、今回の冒険は終了とします、ご視聴ありがとうございました」

 

 こうして二日間にわたる冒険は終了した。




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