「最悪の目」
「最悪の目」
「部長、副長のいる場所まで、どの位だ?」
タフにそう聞かれ、シンゴは答える
「ああ、一番近くの崩落個所を利用したが、それでも残り20マス位はあると思う、どんな強敵が現れるかわからん、気を引き締めて行こう。」
タフはそれを聞いて頷くと、シンゴはダイスを振り、いきなりエンカウントしてしまう、
それを見て、ミノが辟易して言う
「おいおい、いきなりかよ部長…」
シンゴが苦笑いすると、【GMミヨシ】が告げる
「赤2黄3合計5、エンカウントです、敵はダークゴーレム、移動は戦闘終了後に行えます」
それを聞いてユキは意外に思い
「あれ、この敵6階でも会いましたよね」
ダークーゴーレムは、出発前に6階でレベル上げしている時に、遭遇したモンスターの一つだったのだ、
「うん、まぁ運が良かったんだろう、よし、攻撃開始だ」
シンゴ達は攻撃を開始し、3ターンでダークゴーレムを倒した。
それから三回移動し、うち2回でエンカウントしたが、敵は6階と同じモンスターが現れたため、難なく勝利し、
副長のいる座標B7縦14横13まで、あと数マスのところまで到達する
「なんか、敵も6階と変わらないみたいですね、行けるんじゃないですか?」
ユキがそう言うと、シンゴは笑顔で答える
「全くだ、副長と合流したら、それこそ楽勝だぞ」
それを聞いて副長はシンゴを見るが、合流するまではダンジョンの情報を詳しく言えず、
「油断するなよ、部長」
副長はそう言って注意を促すと、シンゴは頷きダイスを振る
「赤1黄6合計7、特殊エンカウントです、敵はフロアボス、イフリート、移動は戦闘終了後に行えます」
シンゴ達はそれを聞いて驚愕する
「特殊エンカウントだと?、しかもフロアボスって…」
ミノがそう言うと、【GMミヨシ】が答える
「はい、この地下7階のフロアボスは、移動の赤ダイスとエンカウントの黄ダイスで、1と6の組み合わせが出た際に、出現します」
ミノは続けて質問しようとするが、シンゴが制止する
「待てミノ、そう言うダンジョンの仕掛けなんだろう、まぁボスがいつも部屋で引きこもってるってのも、おかしな話だしな」
それを聞いて、ミノは納得し苦笑いする、そして【魔王ミナミ】が行動ダイスを振る
「出た目は4、魔王の行動順は4番です」
行動順を聞いて【魔王ミナミ】ニコッと笑い
「はーい」
間延びに答える、それを見てタフが眉をしかめる
「全くボスって感じがしないところが、【魔王ミナミ】の魅力でもあり恐ろしさでもあるな」
それを聞いて【魔王ミナミ】は頭を掻くと、ミノが攻撃を開始する
「よし、ツインアローを使う」
ミノはそう言って、ダイスを振る
「出た目は2、ツインアローの効果により攻撃力2倍、イフリートに46のダメージ」
続いてタフが攻撃しようとダイスを振ろうとするが、シンゴが制止する
「タフ、敵の攻撃力がわからない、様子見で防御してくれないか?」
シンゴにそう指示され、タフは頷く
「【GM】さん、ナイトは防御だ」
タフが防御を申告すると、【GMミヨシ】は頷く、
そしてシンゴが続く
「いきなりのボス戦か…、【GM】まずは隊列変更だ、前列ナイト 中列シーフ・クレリック・ロード 後列ウィザードに変更」
シンゴの隊列変更の申告を受けて、【GMミヨシ】はPC画面に隊列変更を打ち込む、
続いて【魔王ミナミ】が攻撃ダイスを振る
「やったぁ!」
ダイス目1を出し、【魔王ミナミ】は無邪気に喜ぶ
「出た目は1、イフリートの攻撃、ナイトに150のダメージです」
それを聞いて全員が驚く
「おいおい防御して150てことは、まともに食らえば300ってことか…、防御してなきゃ死んでたな…」
タフが愕然とする、ハッちゃんは気を取り直して言う。
「ナイトに「アドバンスヒール」を使います」
ハッちゃんはダイスを振る
「ダイス目は2、ナイトのHPは83回復しました」
ハッちゃんはシンゴを見る
「部長さん、今持ってる最大回復魔法アドバンスヒールを使い続けても、回復力が足りない感じです」
それを聞いてシンゴは頷くとユキを見る
「ユキ、このターンで武器を「ヒールワンド」に変更して、ナイトのHPが150を下回らないよう、攻撃魔法とヒールを使い分けてくれ」
シンゴの指示を聞いて、ユキは頷くと
「【GM】さん、武器を「魔道スタッフ」から「ヒールワンド」に変更します」
ユキの装備変更の申告を受けて、【GMミヨシ】はPCで武器変更を承認する、
そして、シンゴは顎に手を当て
『まずい…、この敵を倒したとして、その後、パーティにどれだけ余力があるのか…』
と考え込むと、良からぬ展開を予想してしまい、シンゴは表情を曇らせた。
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