「ハッちゃんのススメ」
「ハッちゃんのススメ」
午後13時、実況を開始して既に3時間経過し、
地下一階と二階の探索で、全員がレベル上限15となり、
彼らのステータスは次の通りとなった。
シーフ LV15 腕力12・体力8・知力4・運10、スキルポイントは20
ナイト LV15 腕力15・体力14・知力2・運3、スキルポイントは19
ロード LV15 腕力4・体力4・知力4・運22、スキルポイントは18
クレリック LV15 腕力4・体力3・知力14・運13、スキルポイントは22
ウィザード LV15 腕力2・体力2・知力16・運14、スキルポイントは24
昼食を済ませたシンゴ達は、準備も終わり、
そろそろ出発…というところで、ハッちゃんがシンゴに話しかける。
「部長さん、私に考えがあるんですけど」
シンゴは、ハッちゃんに急に話しかけられ驚く
「どうしたの急に?、考えって何?」
シンゴにそう聞かれ、ハッちゃんは答える
「なんとなくですけど、一番早く攻略できる方法を思いついたので、それを実行してみたいんです」
ハッちゃんがそう言うと、ユキがハッちゃんを見て苦笑いする
「ハッちゃん、なんとなくじゃなくて、ちゃんと説明しないと…」
ユキにそう指摘され、ハッちゃんは頭を掻いて頷くと、全員を見て説明を始める
「さっきの探索で、みなさんレベルは、上限のレベル15に到達しましたよね?」
そう聞かれ、全員が頷くと、
ハッちゃんは続ける
「だから、レベル上限に達してるなら、どんどん先に進んだ方がいいと思うんです」
ハッちゃんは一呼吸おいて、さらに説明を続ける
「ただ…、この「地下大空洞」は、マップを埋めるには広すぎるし、崩落個所が多くて進むだけでも、かなりの時間がかかってしまいます」
タフは聞く
「つまり、ハッちゃんは時間がかかるとわかってるのに、早く攻略できる方法を思いついたってことなのかい?」
タフにそう言われ、ハッちゃんは頷き答える
「はい、思いついた方法がうまくいけば、かなり早く攻略出来て、しかも楽だと思います」
そこまで聞いてシンゴが口を開く
「よし、なんか面白そうだし、みんな、ここはハッちゃんに任せてみよう」
それを聞いて全員が同意すると、シンゴ達はタウンを出発した。
シンゴ達は出発してすぐ、入り口から一番近い崩落個所に到着すると、
ハッちゃんが指示を出す。
「では、崩落個所を降りて、地下二階に行きましょう」
ハッちゃんがそう言うと、パーティは崩落個所から落下し、地下二階に到着する、
そしてさらに、地下二階の崩落個所に到着すると、その崩落個所を降りて、地下三階に到着する。
「なるほどな、崩落個所を使って、一気に三階まで進むってことか、よし、じゃあ探索して、まずは階段を探そう」
タフがそういうと、ハッちゃんは頭を横に振る
「いえ、違うんですタフさん、確かに探索はしますが、階段は探しません、とにかく進みましょう」
不思議そうにするタフを尻目に、
ハッちゃんはどんどん先へ進み、すぐ地下三階の崩落個所を見つけると、ハッちゃんはタフを見る
「タフさん、探すのはこの崩落個所なんです、では行きましょう」
そう言ってハッちゃんは、崩落個所から地下四階へ進む
「おいおい、確かにこの方法なら早く進めるけど、帰る方法は…」
そこまで聞いて、シンゴがタフの肩をポンと叩く
「まぁまぁ、ハッちゃんに任せようぜ、タフ」
シンゴにそう言われても、タフは納得がいかない顔をする、
そんなタフを見て、ハッちゃんは笑顔で答える
「大丈夫ですよタフさん、帰る方法も考えてありますから、心配しないでください」
あっけらかんと答えるハッちゃんを見て、タフは苦笑いする、
それから数分後、地下四階の崩落個所を見つけると、
それを降りて地下五階へ到着する、
そこで、ここまで沈黙していたミノも、流石に心配になり、ハッちゃんに聞く
「ハッちゃん…、本当に大丈夫なんだよね?」
そうミノに聞かれ、ハッちゃんは笑顔で頷くと、ダイスを振り、さらに進んで行く、
そしてしばらく探索を続け、地下五階のマップが半分ほど埋まったところで、
「この階は崩落個所が無いのかなぁ」
とハッちゃんは呟き、さらにダイスを振って進む、
すると【GMミヨシ】が告げる
「目の前に扉があり、扉から邪悪な気配が流れています、扉を開けますか?」
それを聞いてタフは驚き、ハッちゃんを見て感心する
「すげぇぞハッちゃん、スキルも回復アイテムもほとんど消費せず、ボスだ…」
タフがそう言うと、ハッちゃんは笑顔で答える
「レベルも上限ですし、倒せると思うんです」
それを聞いて、シンゴは頷きハッちゃんを見る
「これ以上ない状況だ、よし、ハッちゃん扉を開けてくれ」
ユキはハッちゃんの頭をなでる
「やったね、ハッちゃん」
そう言われハッちゃんはガッツポーズし、【GMミヨシ】に告げる
「扉を開けてください!」
それを聞いて、【GMミヨシ】は頷く
「ダンジョンボス戦です、敵は「ヴァンパイアロード」、戦闘開始です」
シンゴは、ダンジョンボスと聞いて驚く
「ダンジョンボスって…、一気に最終ボスかよ、勝てば最速クリアだな!」
喜ぶシンゴを尻目に、【魔王(副長)】がダイスを振る、
「出た目は2、魔王の行動順は2番です」
【GMミヨシ】がそう言うと、【魔王(副長)】は口を開く
「休憩を除けば、2時間半でダンジョンボスに到達か…、相当早いと思うよ、だが、急ぎすぎじゃないかい?」




