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フェブラリーオブラウンド  作者: 超人テリー
16/34

「ウルトラC」

    「ウルトラC」



 既に実況終了まで1時間半を切っている、


 シンゴ達は、ウィザードのリターンで5階まで戻ると、


 彼らは階段が見つかった時点で、その階層の探索を打ち切り、


 とにかく上階を目指している。


「すげぇな部長、そのコンバージョンソード、雑魚敵なら瞬殺だ」

 

 タフが言うと、シンゴは得意げになる


「だろぉ、結構敵も強くなってるが、遭遇してもすぐ戦闘終了だ」

 

 シンゴがそう言うと、ミノは不満そうな顔をする


「その剣、俺が出したんだけどな…」


 ミノがそう呟くと、ハッちゃんがフォローする


「わかってますよ、全部ミノさんのおかげです」


 ハッちゃんに笑顔でそう言われ、ミノは苦笑いを返すと、


 ユキがシンゴに注意する


「先輩、あまり調子に乗らないでください、攻撃力は高くなったけど、回復力は高くなってないんですよ、一旦回復してください」


 調子に乗るシンゴを見かねて、ユキがそう言うと、


 それを聞いてシンゴは、ロードのHPが50を切っているのを確認し驚く


「おおっと、いつの間に…、ユキありがとう、やばかったな」


 シンゴは戦闘終了後、手持ちの回復ポーションを使う、さらにユキは聞く


「あと、地図大丈夫ですよね?」


 ユキにそう心配され、シンゴは答える


「それは大丈夫だ、痛い目見てるからな」


 シンゴはそう言って苦笑いすると、


 ミノがハッちゃんを見て確認する。


「ハッちゃん、回復ポーションの数はどうかな、足りなくなったら言ってよ?「調合」するから」


 ミノがそう言うと、ハッちゃんは頷く


 回復全般の管理はハッちゃんがしているのだ


「大丈夫です、まだ余裕があります」


 ハッちゃんがミノを見て返答すると、


 シンゴが真面目な顔で言う


「ハッちゃん、俺たちは残り時間を考えて、補給無しで、一気に登り切ろうとしている、十分わかってると思うけど、できるだけ節約をお願いします」


 シンゴがそう言うと、ミノが呆れる、


「その回復を考えないで、剣振り回してた部長が言うなよなぁ、ねぇハッちゃん?」


 ミノに話を振られ、ハッちゃんは困った顔をして笑っている、


「ミノ、俺はだな、早く倒した方が回復ポーションの節約になると思ってだな、だからその…、ねぇハッちゃん…」


 シンゴにも話を振られて、ハッちゃんはさらに困った顔をする、


 そんなやり取りを見かねて、タフが注意する


「いい加減にしろ二人とも、ハッちゃんが困ってるじゃないか、それに時間が無いんだ、急ぐぞ!」


 タフにそう言われ、


 シンゴとミノは


「はい、すいません…」


 とバツが悪そうに小さく呟いた。



 時計の針は18時30分を回ったところで、シンゴ達は10階に到着し、


 階段を探そうと探索していると、【GMミヨシ】が告げる


「セーフティゾーンです」


 【GMミヨシ】がそう言うと、シンゴ達は顔を見合わせる、


「もしかしたら、この階にも…」


 シンゴはそう呟いた後、さらに10分ほど探索し、ボスの扉を発見する


「目の前に扉があり、扉から邪悪な気配が流れてています、扉を開けますか」


 【GMミヨシ】が告げると、タフが気合を入れて言う


「よっしゃ、行こうぜ」


 タフがそう言うと、シンゴは時計を見る、時間は18:45分になる所だ。


「あと15分か、【魔王(副長)】確認するが、19時になった時点でダンジョン内に残っていた場合、どうなる?」


 シンゴにそう聞かれ、


 【魔王(副長)】は答える


「残っていたものは死亡扱いになる、あと最初に説明したが、全滅した場合…」


 返答をそこまで聞いて、シンゴは答える


「全滅した場合、生き返らせる人間がいないから、ゲームオーバーだったな?」 


 【魔王(副長)】が頷くと、全員ゴクリと唾を飲み込む


「では、残り時間は15分切ってますし、早く挑みましょう」


 ユキがそう言うと、シンゴが答える


「ああ無論そのつもりだが、その前にユキに頼みたいことがある」


 シンゴにそう言われ、


 ユキは不思議そうな顔をする


「急に何ですか、頼みたいことって?」


 シンゴは頷くと、真剣な顔をして説明を始めた。


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