「ウルトラC」
「ウルトラC」
既に実況終了まで1時間半を切っている、
シンゴ達は、ウィザードのリターンで5階まで戻ると、
彼らは階段が見つかった時点で、その階層の探索を打ち切り、
とにかく上階を目指している。
「すげぇな部長、そのコンバージョンソード、雑魚敵なら瞬殺だ」
タフが言うと、シンゴは得意げになる
「だろぉ、結構敵も強くなってるが、遭遇してもすぐ戦闘終了だ」
シンゴがそう言うと、ミノは不満そうな顔をする
「その剣、俺が出したんだけどな…」
ミノがそう呟くと、ハッちゃんがフォローする
「わかってますよ、全部ミノさんのおかげです」
ハッちゃんに笑顔でそう言われ、ミノは苦笑いを返すと、
ユキがシンゴに注意する
「先輩、あまり調子に乗らないでください、攻撃力は高くなったけど、回復力は高くなってないんですよ、一旦回復してください」
調子に乗るシンゴを見かねて、ユキがそう言うと、
それを聞いてシンゴは、ロードのHPが50を切っているのを確認し驚く
「おおっと、いつの間に…、ユキありがとう、やばかったな」
シンゴは戦闘終了後、手持ちの回復ポーションを使う、さらにユキは聞く
「あと、地図大丈夫ですよね?」
ユキにそう心配され、シンゴは答える
「それは大丈夫だ、痛い目見てるからな」
シンゴはそう言って苦笑いすると、
ミノがハッちゃんを見て確認する。
「ハッちゃん、回復ポーションの数はどうかな、足りなくなったら言ってよ?「調合」するから」
ミノがそう言うと、ハッちゃんは頷く
回復全般の管理はハッちゃんがしているのだ
「大丈夫です、まだ余裕があります」
ハッちゃんがミノを見て返答すると、
シンゴが真面目な顔で言う
「ハッちゃん、俺たちは残り時間を考えて、補給無しで、一気に登り切ろうとしている、十分わかってると思うけど、できるだけ節約をお願いします」
シンゴがそう言うと、ミノが呆れる、
「その回復を考えないで、剣振り回してた部長が言うなよなぁ、ねぇハッちゃん?」
ミノに話を振られ、ハッちゃんは困った顔をして笑っている、
「ミノ、俺はだな、早く倒した方が回復ポーションの節約になると思ってだな、だからその…、ねぇハッちゃん…」
シンゴにも話を振られて、ハッちゃんはさらに困った顔をする、
そんなやり取りを見かねて、タフが注意する
「いい加減にしろ二人とも、ハッちゃんが困ってるじゃないか、それに時間が無いんだ、急ぐぞ!」
タフにそう言われ、
シンゴとミノは
「はい、すいません…」
とバツが悪そうに小さく呟いた。
時計の針は18時30分を回ったところで、シンゴ達は10階に到着し、
階段を探そうと探索していると、【GMミヨシ】が告げる
「セーフティゾーンです」
【GMミヨシ】がそう言うと、シンゴ達は顔を見合わせる、
「もしかしたら、この階にも…」
シンゴはそう呟いた後、さらに10分ほど探索し、ボスの扉を発見する
「目の前に扉があり、扉から邪悪な気配が流れてています、扉を開けますか」
【GMミヨシ】が告げると、タフが気合を入れて言う
「よっしゃ、行こうぜ」
タフがそう言うと、シンゴは時計を見る、時間は18:45分になる所だ。
「あと15分か、【魔王(副長)】確認するが、19時になった時点でダンジョン内に残っていた場合、どうなる?」
シンゴにそう聞かれ、
【魔王(副長)】は答える
「残っていたものは死亡扱いになる、あと最初に説明したが、全滅した場合…」
返答をそこまで聞いて、シンゴは答える
「全滅した場合、生き返らせる人間がいないから、ゲームオーバーだったな?」
【魔王(副長)】が頷くと、全員ゴクリと唾を飲み込む
「では、残り時間は15分切ってますし、早く挑みましょう」
ユキがそう言うと、シンゴが答える
「ああ無論そのつもりだが、その前にユキに頼みたいことがある」
シンゴにそう言われ、
ユキは不思議そうな顔をする
「急に何ですか、頼みたいことって?」
シンゴは頷くと、真剣な顔をして説明を始めた。




