「ルート11」
「ルート11」
シンゴ、タフ、ミノの三人は、今後どうするかを話し合っている。
実況が中断してから、既に10分以上経過し、
再開までの時間が無くなってきたため、副長がシンゴに確認する
「部長、もうすぐ実況再開だが、行けそうか?」
副長の聞かれ、
シンゴはコクリと頷くと、タフとミノを見て、彼は口を開く、
「今話し合った通りでいいな?」
シンゴが二人に確認すると、タフはシンゴを見る
「頼むぜ、部長」
タフがそう言うと、ミノもにこりと笑い頷く、
そして、副長は【魔王(副長)】に戻り、実況が再開する、
待たされたせいかコメントは荒れ気味だ、
「よし、実況も再開したし、進もうと思う、ですがその前に、この実況を見ている方々に、少し状況を説明いたします」
シンゴはそう説明すると、一呼吸おいて続ける。
「俺たちは現在、クレリックとウィザードの二名が離脱し、、しかも地図がほぼ白紙となったため、自分たちがマップ上の何処ににいるか、わからない状態です」
シンゴの説明を聞き、動画のコメントがざわつく、さらにシンゴは続ける
「ただ、幸いなことに、この「はじまりの塔」の一階には、20×20のマップ内で、「縦10横10」の位置に、出口が黄色で記載されています、これを手掛かりに、タウンへの帰還を目指そうと思います」
シンゴはそう言うと、一瞬タフとミノの顔を見て気を引き締めると
「では、再開します」
シンゴは再開を告げると、ダイスを振り進み始める
「まずは、後どのくらいダイスを振って移動できるか…」
そう言ってシンゴはミノを見ると、ミノは頷く
「現在のナイト・ロード・シーフのHPと、ここまでの敵の攻撃力から、えーと、30回位はダイスを振れるな、まぁ皮算用なんで、深く突っ込まないでくれよ?」
ミノが何とも言えない表情で答えると、シンゴとタフが顔を見合わせて、苦笑いした、
それから三人は、しばらく移動と戦闘を続けた後、シンゴが話す
「1回ダイスを振って、3~4マス進めると仮定し、30回×3~4マスで、マップを約100マス進める訳だが…」
シンゴはそう言ってダイスを振る、だが、出た目が悪く舌打ちをする。
シンゴに変わって、タフが続ける
「まぁとにかく、ルートは歪になってもいいから、まず横に11マス進もうぜ」
タフはそう言うと、ダイスを振った。
さらに三人は、10分ほど移動と戦闘を続け、
ダンジョン内の壁に突き当たりながらジグザグに横に11マス進むと、シンゴが指示する。
「よし次は、この横11マスの間から、はみ出さないよう、上でも下でも、とにかく縦に11マス進むぞ」
シンゴはそう言って、ダイスを振る、
そして、三人は行きつ戻りつ、なんとか縦に11マス埋めると、シンゴは一つ息を吐く、
「ふぅ、これで横11マス、縦11マスの正方形ができる…」
そう言ってシンゴは、地図上に記した、ジグザグで歪な縦横のルートに、11×11の正方形をはめ込む、
それを見て【魔王(副長)】は、シンゴ達の狙いに気付く
「なるほど、20×20のマップ内で、「縦10横10」にある出入り口は、縦横11マスの正方形内に必ず存在するというわけか…」
【魔王(副長)】がそう言うと、シンゴはニヤリと笑う
「まぁそういうことだな」
そう答えるシンゴに見て、【魔王(副長)】は続ける
「しかし、11×11の正方形を埋めるには、121マス必要だ、さっき100マス位は動けると言ってたが、突き当りでの後退や、ルートの交差などのロスを考えると、実際に埋めれるのは100マス以下だと思うんだがな?、」
【魔王(副長)】にそう指摘され、シンゴは答える
「ああ、俺も100マスを、フルに動けるとは思ってない、ただ、タウンの出入り口はもう見つかってるんだ」
そう言ってシンゴがpc画面を見ると、
【魔王(副長)】も首をかしげながら、再度pc画面を見る。
画面には、シンゴ達が作った11×11の地図上に、ハッちゃん作成の地図を重ねた、
新たな地図が表示されいる、
それを見て【魔王(副長)】はあることに気付き驚く
「これは、大したもんだ」
その新たな地図には、
ハッちゃんの記した「スタート地点から、上に3・左に2・下に6のルート」が、
シンゴ達の「縦横11マスの歪なルート」の一部分に、
ぴったり収まっており、既に出口が見つかっていたのだ。
「13時にスタートしてから、もともと十回弱しか移動してない、だから、ハッちゃんが記載したルートも11×11の正方形に入るんじゃないかなぁと思ってね、そしたらバッチリ一致する個所があったんだよ」
シンゴがそう言うと、【GMミヨシ】が笑顔で問う
「タウンへ帰還しますか?」
シンゴ・タフ・ミノの三人は、無事タウンに帰還した。




