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選択ミス

「諸刃さんっ!!」

「榎谷君!どうしてここに!?」

「今は落ないことだけ考えてて!」

さっきの木の怪物よりデカイ!

遥かにデカイ……人の手に負えるものじゃないなこれは。

でも、だからこそ僕が!ピエロが!

『せっかく捨てたのによ……ま、お前の自我が残ってるうちだけだ。好きにするといい』

まずは諸刃さんを助ける。

これは手刀じゃ切れなそうだ。

『そうだな。どうするべきか……』

次々と迫る枝の鞭をよけつつも戦略を考えるピエロ。

高さ約200m。

この高さなら…………。

『お前頭いいな。でも、それだとあの小娘は助からねえぞ』

そうか……でも枝さえ手刀で切れば。

『それが最善か。お前の特技なかなか使い道があるな』

褒められてるように聞こえないけど……まあ、ありがとう。

僕の策略どうりピエロが動く。

まずは手刀で諸刃さんを掴んでいる枝を切り落とす。

「チギャアァァァァァァ!」

叫び声と同時に諸刃さんを持ち、下へ。

「榎谷君……私は君を斬ろうとしたのよ?」

『俺はその榎谷君じゃねぇ』

ピエロはその一言だけ言って、怪物へ向かった。

あの巨体なら……倒れてしまえば起き上がれないはず!

一気に上空へと跳んだ。

『出来れば俺は殺したかったんだが』

どちらにせよ僕らに利益はない。

なら、殺す必要だってない。

『へいへい、わかったよ』

怪物の真上から引力バランスを崩す。

ボコボコと音を立て地面から根が抜ける。

「ゴガアァァァァ」

ブチッ!

全ての根が抜けたところで、上の葉のある部分だけに重力をかける。

これで!

『いい策略だ。お前の自我はもう少し残すことにするぜ』

ズウゥゥン。大きな地響きと共に倒れる怪物。

そして僕は地面へ下りる。

「榎谷君……」

「ごめんね諸刃さん……僕、何も知らないで」

「違うよ……私がいきなり剣を向けたのが悪いの」

少し沈黙。

『なんなんだこの初々しい雰囲気。……犬も食わねぇ』

「いや、これ以上続けても意味ないかなって」

諸刃さんの頭には、はてなマークが並んでいた。

「榎谷君?誰と喋ってるの?」

「ん、あぁ、この仮面だよ。脳が共通だから脳内であれば喋れるんだ」

「……その仮面は……」

「呪われた仮面。でしょ」

「知ってるならどうして!?」

「僕には捨てられない理由がある」

諸刃さんは深呼吸をしてから、返す。

「理由?」

「僕がこの世界に来てお世話になった家族がいたんだ。でも、遣神という奴らに理由もなく殺された」

「嘘っ!」

「事実だよ。だから僕は仇を討たなきゃなんだ。彼女達のために」

仇を討つことが最善だとは思っていない。

でも、そうでもしなければ……この世界を変えなければレキウナさんたちが報われない。

「でもそんなことしなら君の命だって!」

「うん、狙われるだろうね。覚悟の上だよ。僕1人の命で世界を救えるなら」

「榎谷君…………」

彼女は涙目になり、僕に抱きついた。

いや、ここはしがみついたの方がいい表現なのかもしれない。

「君1人の命は私にとってすごく大事なの……。だから、もっと良く考えて」

『この小娘、お前に好意を抱いてるな』

ピエロの邪魔が入った。

「こ、好意!?」

「えっ!?」

すぐさま僕から離れた。

顔を真っ赤に染めて。

「ど、どどど、どうしてわかったの?」

「え!?ホントなの!?ピエロの冗談かと……」

キッとピエロを睨みつける諸刃さん。

ピエロの表情が変わることはない。

「と、とりあえず!先に進まない?」

僕は目を逸らしながら彼女に言った。

「そ、そうだね!」

そして彼女も目を逸らしながら同意した。

これから……どうなるんだろ。

波乱の旅を予想しながらも、そんなことすら楽しみたいと思う僕は足を進めた。

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